管理費が安いと本当にお得?−管理費の収支−

不動産コラム

分譲マンションには、必ず「管理費」という毎月のランニングコストが掛かります。住宅ローンを借り入れしていると、その支払いとともに毎月の支出として資金計画を立てなくてはなりません。

この管理費は、マンションによって高かったり安かったり一律ではありません。物件を比較検討する際には、「管理費の値段」が一つの決め手になることもあるでしょう。

では、管理費が安い物件は本当にお得でしょうか?今回は、管理費の中身について解説します。

管理組合の収入源

分譲マンションの管理組合では、各専有部分(各部屋)から毎月決められた管理費を徴収します。これが一番大きな収入源となります。それ以外にも、駐車場使用料、バイク置き場使用料、自転車置き場使用料も収入となります。もしも1階住戸に専用庭があったり、ルーフバルコニーがある部屋があれば、その専用使用料も収入となります。共有部分を使用する際にわざわざ料金を課すのは、少しでも管理組合の収入を増やす目的があります。

当然、戸数が多いマンション(タワーマンションや大規模マンション)と少ないマンションでは収入に差が出ますので、管理の内容にも差が生まれます。

管理費の決め方

例えば年間管理費が600万円必要なマンションであれば、600万円÷12ヵ月=50万円となり、50戸のマンションであれば各戸1万円を徴収します。ところが、全戸が同じ専有面積のマンションはなかなかありません。40㎡の1LDKが○戸、70㎡の3LDKが○戸、100㎡の4LDKが○戸というように構成は様々です。

そこで、管理費は不公平がないよう各住戸の「共有持分」に応じて算出されています。小さい面積の部屋は安く、広い面積の部屋は高く、管理費を負担する仕組みとなります。

複数の物件の管理費を比較する際には、単純に金額を比べるのではなく面積で割った「㎡単価」を計算してみると明確になります。

例) 75㎡ 管理費 9000円の場合  単価は120円

   80㎡ 管理費 10000円の場合 単価は125円

また、駐車場などの使用料は「想定稼働率」を考えて決まっています。設置台数のうちどれだけ使用されるかという割合です。通常は80%~90%ぐらいで設定されている物件が多く、それを上回れば管理費の収支に余裕が生まれる事になります。駐車場は入居者が高齢化すると空きが多くなり、収入が減ってしまうことも考えられるため、予め物件ごとに検討されています。

管理費はどんなことに使われる?

徴収した管理費は、どのようなことに使われるのでしょうか?支出項目を見てみましょう。

①管理員の人件費

文字通り管理員さんのお給料になる部分です。窓口業務、清掃業務(清掃員が別途いる場合もあり)などが週に何日か?何時間か?によっても変わってきます。コンシェルジュや夜間警備員などがいる場合には、別途費用がかかります。

②事務管理業務費

会計業務、理事会や総会の運営業務に係る費用

③共用部分の水道光熱費

エントランスや共用廊下などの照明・空調などの電気代、水道代など
物件の建て方や規模によって変動します。

④共用部分の保守・点検業務費

エレベーター、機械式駐車場、自動ドア、消防設備、宅配ボックスなどは定期的な保守点検が必要です。年に何度か大掛かりな清掃も行われます。共用施設が多い物件では、その分費用がかかります。

また施設の点検をメーカーに依頼するか、独立系の点検会社に依頼するかでも費用に差があります。

⑤保険料

共用部分も火災保険や地震保険に加入します。

これらの多岐にわたる業務を入居者自身で行うことは難しいため、通常は管理会社へ業務委託します。

管理費は値段だけでなく内容も確認しよう

分譲マンションでは販売当初に不動産会社が管理費を決定していますが、ここであまりにも安く設定されている物件は注意が必要です。管理費は管理の内容に直結するので、単純に値段だけでは計れない部分があります。長期修繕計画と同時に、管理計画についても資料があれば見せてもらいましょう。管理員の勤務体制(週に何日、何時間勤務か)は一番わかりやすい内容です。最近は防犯カメラなども設置されていますが、リースか買取かでも値段が違います。表面上リースの方が毎月のランニングコストが必要になるため高額になりますが、買い取りの場合は故障や交換が必要になると一時的に高額な費用が必要になってしまいます。

毎月の支出は少しでも抑えたいところですが、値段と管理内容のバランスをよく確認し、将来の資産価値を損なわないかを検討しましょう。