昨年7月の豪雨で被災し全線運休中の第三セクター・くま川鉄道(熊本県人吉市)は28日に部分運行を再開するのを前に、17日夜、車両を人吉温泉駅(人吉市)からあさぎり駅(あさぎり町)まで運搬した。
運休している全線24・8キロのうち、被害が比較的少なかった肥後西村(錦町)-湯前(湯前町)間の18・9キロで運行を再開する。球磨川第四橋梁[きょうりょう]が流失したため、あさぎり駅までは線路上を走らせることができず、車両をけん引するトレーラーで一般道を運んだ。
午後9時ごろ、部分運行で使う3両をそれぞれ載せたトレーラーがJR人吉駅を出発すると、次第に近隣住民たちが集まり写真に収めていた。安全確保のため輸送日程の告知はなかったが、うわさを聞きつけた鉄道ファンも集結。東京都の大学生、小瀬竜輝さん(21)は「列車を一般道路で運ぶのは非日常な光景」と喜んでいた。
午後11時ごろには3両全てがあさぎり駅に無事到着。19日からは車両や線路の安全確認などに入る。再開後、同駅は車両メンテナンスのための仮の基地駅となる。永江友二社長は「約1年半、ここでは動いてないので無事に運行できるように努めたい」と気を引き締めた。
参照:熊本日日新聞(https://kumanichi.com/articles/471840)