全国高校サッカー選手権で熊本県勢初の準優勝に輝いた大津高(大津町)。13年間にわたって部員を預かり、支えてきた地元の旅館が本年度いっぱいで下宿業を畳む。「一緒に夢を追えて楽しかった。有終の美を飾ってくれてありがとう」。女将[おかみ]の橋本千春さん(54)は充実した日々を振り返る。
JR肥後大津駅近くの「旅館橋本」。3年生の部員19人が下宿しており、玄関前には自転車が並ぶ。隣接するホテル「旅籠[はたご]はしもと」と共に、橋本さんが経営してきた。
1月下旬、朝6時前。暗闇の中、制服姿の生徒たちがホテルの食堂に集まってきた。バイキングの朝食を食べると、練習に出掛けたり、部屋で受験勉強したりそれぞれの時間を過ごす。橋本さんは調理の手を休め、「最後までよく頑張っている」と目を細めた。
1989年、22歳の時に「旅館橋本」に嫁いだ橋本さん。夫はサラリーマンで、義母と旅館を切り盛りした。だが、熊本国体と同じ99年に夫が病気で亡くなる。3歳から小学3年までの子ども3人を育てるための奮闘が始まり、2006年にはホテルを建てた。
下宿を始めたのは09年。当時の監督で現総監督の平岡和徳さん(56)からの依頼だった。全国大会の常連校となって県外など遠方からの部員が増え、学校の寮では受け入れきれなくなっていた。
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参照:熊本日日新聞(https://kumanichi.com/articles/556700)