変動金利1%超えでどうする? マイホーム購入で考えたい「買うタイミング」

不動産コラム

「住宅ローンの変動金利は1%未満」というイメージを持っている方も多いかもしれません。

しかし、2026年10月、住宅ローンを取り巻く環境が変わり始めています。大手銀行では金利引き上げが相次ぎ、変動型・最優遇金利がいずれも1%を超え、三菱UFJ銀行などでは1.195%、りそな1.25%、みずほ1.275%などとなっています。

低金利が長く続いてきた中で、これからマイホームを購入する人は、どのように考えればよいのでしょうか。

変動金利1%超えで返済額はどう変わる?

住宅ローンの変動金利は、日銀の金融政策などの影響を受けます。

2026年9月には日銀が政策金利を1.25%程度へ引き上げるなど、これまでの低金利環境から変化が続いています。

例えば、3,000万円を35年返済、元利均等返済、ボーナス返済なしで借りた場合、金利0.5%なら毎月の返済額は約7万8,000円、1%なら約8万5,000円となります。

月々では約7,000円の差ですが、長期間の返済では決して小さな金額ではありません。

さらに借入額が大きくなれば、金利上昇による影響も大きくなります。

だからこそ、住宅ローンを組む際には「今の金利で返せるか」だけではなく、ある程度金利が上昇しても家計に無理がない借入額なのかを確認しておくことが大切です。

「金利が上がるなら、しばらく様子見」も選択肢

金利が上昇すると、「もう少し待って、金利が落ち着いてから購入しよう」と考える人もいるでしょう。

これは決して間違った考え方ではありません。

ただし、マイホーム購入の場合、「待つことによるデメリット」も人によって異なります。

例えば、現在50歳の人と30歳の人では、数年間購入時期がずれることの意味が大きく違います。

住宅ローンには完済時年齢の制限があるため、購入時期が遅くなれば、希望していた35年ローンを組めなくなる可能性があります。

また、団体信用生命保険(団信)についても注意が必要です。

一般的な団信だけでなく、がん保障などの特約を付けたい場合、健康状態によって加入できる商品や保障内容が変わることがあります。

今は加入できる保障が、数年後も同じ条件で加入できるとは限りません。

つまり、金利だけを見れば「待つ」という選択肢が合理的に見えても、年齢や健康状態によっては、時間が経つことで住宅ローンの条件が不利になる可能性があるのです。

人によって「マイホーム購入のリミット」は違う

住宅ローンの金利は、誰にとっても同じです。

しかし、「いつまで待てるか」は人によって違います。

例えば、

・定年までの期間が短くなっている

・希望する返済期間を確保したい

・現在の健康状態なら希望する団信に加入できる

・子どもの進学など、今後のライフイベントが控えている

こうした事情がある場合、単純に「金利が下がるまで待つ」という判断が、必ずしもベストとは限りません。

特に50代以降でマイホームを購入する場合は、金利だけでなく、「あと何年ローンを組めるのか」「希望する団信に加入できるのか」という時間的な条件も重要になります。

住宅購入には、物件価格や金利とは別に、その人自身の年齢やライフプランによって決まる「最終決断のリミット」があるのです。

反対に、急いで購入する必要がない人も

もちろん、すべての人が急いで購入する必要があるわけではありません。

年齢的にも十分な余裕があり、自己資金を増やすことができる人や、現在の家計では希望する借入額が大きすぎる人などは、時間をかけて準備することも大切です。

また、「金利が上がる前に」と焦って、希望条件から大きく外れた物件を購入するのは避けたいところです。

マイホームは長く暮らすことになる大きな買い物。

金利だけを理由に購入を急ぐのではなく、物件価格や立地、間取り、将来の生活費などを含めて、自分にとって無理のない選択をする必要があります。

希望する物件がいつでも見つかるとは限らない

もう一つ忘れてはいけないのが、「買いたいと思ったときに、希望条件に合う物件があるとは限らない」ということです。

特に中古マンションや中古戸建ては、販売される物件が常に入れ替わります。

希望するエリア、駅からの距離、広さ、間取りなどの条件をすべて満たす物件が、数カ月後、1年後にも見つかるとは限りません。

だからこそ、購入を考えている人は、まず自分にとって譲れない条件を整理し、資金計画を準備しておくことが重要です。

条件に合う物件が見つかったとき、「買える状態」にしておけば、金利や物件の状況を踏まえて冷静に判断できます。

「金利が上がったから買わない」ではなく、自分の期限を考える

変動金利が1%を超えたことで、住宅ローンを取り巻く環境は確実に変化しています。

だからといって、「金利が高くなったから購入をやめる」「金利が下がるまで待つ」と単純に決める必要はありません。

大切なのは、金利上昇による負担と、待つことで生じるデメリットの両方を考えること。

年齢によっては借入期間が短くなり、健康状態によっては希望する団信に加入できなくなる可能性もあります。

一方で、まだ時間に余裕がある人なら、頭金を増やしたり、借入額を抑えたりするために時間を使うこともできます。

「今買うべきか、待つべきか」の答えは、金利だけでは決まりません。

自分にとって、いつまでなら希望する条件でマイホームを購入できるのか。

その「自分自身の購入リミット」を一度考えてみることが、金利上昇時代のマイホーム購入では大切なのではないでしょうか。