マンションを購入するとき、立地や価格、間取り、日当たりなどは、多くの人がしっかり確認するでしょう。一方で、意外と見落としやすいのが「そのマンションが将来にわたって適切に管理されるか」という視点です。
中古マンションの場合、建物そのものだけでなく、管理組合がどのように運営され、修繕のためのお金がどのように準備されているかも、長く暮らすうえで重要なポイントになります。
そこで注目したいのが「マンション管理計画認定制度」です。
マンション管理計画認定制度とは?
マンション管理計画認定制度は、一定の基準を満たすマンションの管理計画を、地方公共団体が認定する制度です。2022年4月にスタートしました。
マンションの管理状態を「見える化」し、管理組合による適正な管理や、将来にわたる計画的な修繕につなげることが制度の目的です。
認定を受けるには、管理組合の運営、管理規約、経理、長期修繕計画などについて、定められた基準を満たす必要があります。
つまり、単に「築年数が新しい」「外観がきれい」というだけではなく、マンションを維持していくための仕組みが整っているかを確認する制度といえるでしょう。
どんなことがチェックされる?
認定基準は複数の項目に分かれています。
例えば、管理組合の運営では、管理者や監事が定められていること、総会が年1回以上開催されていることなどが基準となっています。
また、管理費と修繕積立金が適切に区分して管理されていることや、修繕積立金の滞納状況など、管理組合の経理についても確認されます。
中古マンションを探している人にとって特に参考になるのが「長期修繕計画」です。
現在の制度では、長期修繕計画について、計画期間が30年以上であること、残存期間内に大規模修繕工事が2回以上含まれていることなどが基準になっています。
さらに、修繕積立金の額が著しく低額ではないことや、将来的に一時金を徴収する計画になっていないことなども確認されます。
「認定されている=絶対に安心」ではない
ここで注意したいのが、管理計画の認定を受けていることだけを理由に、そのマンションを判断しないことです。
認定は、定められた基準を満たしていることを確認する制度であり、建物の状態や住環境、立地などすべてを保証するものではありません。
例えば、認定マンションであっても、
・駅からの距離や周辺環境が自分の希望に合っているか
・実際の室内の状態はどうか
・大規模修繕の実施状況はどうか
・管理費や修繕積立金は家計に無理のない金額か
・管理規約が自分の生活スタイルに合っているか
などは、購入前に個別に確認する必要があります。
反対に、認定を取得していないからといって、直ちに「管理状態が悪いマンション」という意味でもありません。
認定制度は、あくまでもマンション選びの際に確認できる情報の一つとして活用するのがよいでしょう。
中古マンション購入時には何を確認すればいい?
実際に中古マンションを検討するときは、物件の価格や間取りだけでなく、管理に関する資料にも目を向けてみましょう。
特に確認したいのが、
・長期修繕計画
・修繕積立金の現在の金額と今後の改定予定
・過去の大規模修繕工事の実施状況
・管理費・修繕積立金の滞納状況
・管理規約
・総会の議事録
などです。
「修繕積立金が安いからお得」と考えてしまいがちですが、金額だけで判断するのはおすすめできません。
重要なのは、将来必要になる修繕に対して、適切な資金計画が立てられているかということです。
管理計画認定制度では、こうした点も含めて一定の基準で確認されます。そのため、認定の有無を確認することは、マンションの管理状態を知るための一つのきっかけになります。
2027年4月から制度がさらに拡充
この制度は今後、さらに変わる予定です。
2027年4月からは、これまでの既存マンションの管理組合による申請に加えて、新築時に分譲事業者が管理計画を作成し、認定申請できる仕組みが導入されます。
新築時から適切な修繕計画や修繕積立金などを設定し、その管理計画を将来の管理組合へ引き継ぐことを目的としたものです。
今後は、新築時からの管理計画にも注目が集まりそうです。
「建物」だけでなく「管理」も見て選ぼう
中古マンションは、築年数や設備だけを見て選ぶものではありません。
マンションという大きな建物を長く維持していくためには、区分所有者による管理組合の運営と、計画的な修繕が欠かせません。
だからこそ、物件を内覧するときには室内の状態だけでなく、「このマンションはこれまでどのように管理されてきたのか」「これからどのように維持されていくのか」という視点も持ってみましょう。
管理計画認定制度は、その判断材料の一つになります。
気になる中古マンションが見つかったら、価格や間取りだけで決めるのではなく、管理に関する資料も確認してみる。将来も安心して暮らせる住まいを選ぶために、そんな視点を持っておくことが大切です。

