すまい給付金ー住宅を買うともらえるお金ー

不動産コラム

「すまい給付金」という制度をご存知ですか?
「家を買うと、お金がもらえる制度」として聞いたことがある方も多いかもしれません。
すまい給付金は平成26年4月からスタートし、令和3年(2021年)12月で終了します。つまり期間限定の制度で、永遠にある制度ではありません。
背景には消費税の増税があるのですが、住宅を取得しようとする人の負担を少しでも緩和する目的があります。

給付を受けられる人

まず、制度を利用するには下記の条件に当てはまることが必要です。
①住宅を取得し、不動産登記上の持分を保有し、その住宅に自分で居住する。

自己居住用であることが第一条件なので、セカンドハウスや投資用不動産はもちろん、持分は持っているけど同居していない親御さんなどは利用出来ません。

②収入が一定以下であること
[8%時]収入額の目安が510万円以下
[10%時]収入額の目安が775万円以下

これはあくまで目安です。給付額を算定する給付基礎額は収入に応じて決まる仕組みです。ですが、収入(所得)を全国一律に把握することは非常に困難なので、収入に変わり、収入に応じて決まる「都道府県民税の所得割額」を算定基準とすることになっています。

☆都道府県民税の所得割額 ()は神奈川県の場合

消費税率8%のとき
6.89(6.93)万円以下 ・・・30万円
6.89 (6.93)万円超8.39(8.44)万円以下・・・20万円
8.39 (8.44)万円超9.38(9.43)万円以下・・・10万円

消費税率10%のとき
7.60(7.64)万円以下・・・50万円
7.60 (7.64)万円超9.79(9.85)万円以下・・・40万円
9.79 (9.85)万円超11.90(11.97)万円以下・・・30万円
11.90 (11.97)万円超14.06(14.14)万円以下・・・20万円
14.06 (14.14)万円超17.26(17.36)万円以下・・・10万円

こういった区分で給付基礎額が10万円刻みで変わってきます。
となると自分の所得割額は一体いくらだろう?と疑問に思いますよね。
これは、サラリーマンなら毎年6月ごろに勤務先から配布される帯状の書類で確認出来ます。
もし手元にない場合は、区役所や市役所で出してもらえる課税証明書で確認出来ます。

③住宅ローンを利用せずオールキャッシュで購入する場合は、年齢が50歳以上の方が対象となります。
すまい給付金制度で言う住宅ローンとは、以下の3つを満たしているものと定義されます。
1)自ら居住する住宅の取得のために必要な借入金であること
2)償還期間が5年以上の借入れであること
3)金融機関からの借入金であること(住宅ローン控除の対象となる貸出金融機関と同じ)
親戚・知人からの借入金は、いくら借用書などを作成していたとしても住宅ローンとは見なされませんので注意して下さい。

高収入な人が利用出来ない理由は、実は「住宅ローン控除」との関わりがあります。
住宅ローンの年末残高の1%が還付される住宅ローン控除では、自身が支払っている所得税等から控除される仕組みです。その為、収入が低いほどその効果が小さくなるという側面がありました。すまい給付金制度は、住宅ローン控除の拡充による負担軽減効果が十分に及ばない収入層に対して、住宅ローン控除とあわせて消費税率引き上げによる負担の軽減をはかるものなのです。
したがって、収入額によって給付額が変わる仕組みとなっています。

また、住宅ローン控除は一旦自分が収めた税金を後から取り戻す、つまり「還付金」ですが、すまい給付金は文字通り「給付される=もらえる」お金となります。

給付対象となる住宅の要件

対象者の要件の次に、購入した住宅が満たすべき要件があります。

①引き上げ後の消費税率が適用されること(消費税率5%が適用の住宅は除外されます。)
②床面積が50㎡以上であること
③第三者機関の検査を受けた住宅であること
(新築住宅と中古住宅では要件が異なりますので要注意)

すまい給付金の申請は、住宅を取得した本人(持分を保有し居住している人)が、実際に入居した後に可能になります。申請期限は住宅の引き渡しから1年以内となっていますが、予め必要書類などは準備しておき、十分に余裕を持って申請するようにしましょう。特に必要書類の中で引っ越す前に用意しておいた方が良いのが「課税証明書」です。県外や市外からの転入の場合、後から取得しようとすると少々時間と手間を要します。
詳細はすまい給付金のHPをご覧ください。
http://sumai-kyufu.jp/