モデルルームの見学ポイント–オプションに惑わされないように−

不動産コラム

分譲マンションを検討する時、皆さんは必ずモデルルームを見学に行くと思います。マンションは通常、建設前から販売を行いモデルルームや図面を見ただけで契約をしなくてはなりません。「青田買い」と呼ばれるのはこのためで、これは不動産業界の慣習なので仕方のない部分でもあります。一方で実際に竣工して出来上がった実物を見学して購入出来ることがあります。この場合は、どちらかと言うと販売が未了の部屋(残っている住戸)である可能性が高くなります。

しかも、モデルルームは沢山のオプション設備がついていて標準仕様と掛け離れています。これも不動産会社の販売戦略上仕方のないことなのですが、鍵をもらって「こんなはずではなかった」とならないよう、きちんと判別しておく必要もあります。

今回は、モデルルームを見学する上でオプションに惑わされず、確認するべきポイントをお話しします。

モデルルームは見栄えが第一

モデルルームは、その物件を一番アピールしてくれる間取りで作られることが多いので、やたらと広かったり特殊住戸であったりします。

80㎡や100㎡のモデルルームで、あなたが購入する住戸が70㎡台であれば、各部屋の大きさを一回り小さく考えなくてはなりません。パンフレットや図面集に寸法が記載されているので、それを参考に距離感を想像しましょう。

また、部屋の縦横の長さの割合によって、同じ畳数でも広さの感じ方が違うので注意しましょう。

モデルルームでよくあるのが、実際にはある部屋の「壁」を撤去して広いリビング・ダイニングにしたり、大きなウォークインクローゼットを設置しているプラン変更です。標準仕様に戻した時に、どういう間取りになるのかは図面を見て想像するしかありません。最近はCGなどの画像データで見せてもらえる場合もありますが、似たようなプランのモデルルームやこれまでの実績の写真などを参考にイメージしておくと良いでしょう。

こうした設計変更は無償でセレクト出来る場合と、有償である場合に分かれますので、お金のこともきちんと聞いておきましょう

また、部屋の中に置いてあるセンスの良い家具や小物、照明やカーテン・エアコンなども全てオプションです。生活感を排除してある空間になっているので、そこに惑わされないようにしましょう。しかし、モデルルームは広く見せるための家具選びや色使いなど、参考になることもたくさん詰まってるので、コーディネートはしっかり部屋選びをした後に行いましょう。

水回りや設備機器を見よう

広さや間取りは違っても、設置されているいろんな機器はその物件で統一されているはずです。

洗面台、ユニットバス、キッチンなどの水回りは実際に扉を開けたりバスタブの中に座って見たりして「体感」しましょう。設備機器の「機能」については、しっかりと営業マンに説明してもらいましょう。ただし、サイズは部屋の広さによって違う場合が多いです。お風呂のサイズは図面に「1418」「1620」という数字で表記されていますが、これがユニットバスの縦横の大きさになります。(1418は140センチ×180センチという意味です。)洗面台の横幅や、キッチンの長さ(作業場になる部分の長さ)もタイプによって違いますので注意しましょう。

また、キッチンや洗面台は「高さ」のセレクトが出来る場合があるので、使う人の身長を考慮して選びましょう。

天井高・床・柱などの構造

今や「二重床・二重天井」は当たり前の時代になっています。柱や梁などの構造については模型などが展示してある場合もあるので、確認しましょう。

また、天井高は空間の広がりを左右します。2m45㎝くらいが標準ですが、モデルルームの天井高を把握しておきましょう。また、梁は構造上どうしても存在します。間取りによって出方やその大きさが違いますので、モデルルームでは再現されていなくてもあなたの部屋には存在しているかもしれません。これも間取図に点線で示されいるので注意しましょう。

セキュリティや共用部分

物件全体のセキュリティ・防犯設備、共用部分にどんな施設や設備があるのかも重要です。

モデルルーム以外の模型や掲示パネルなどで解説されていることも、一通り目を通しましょう。

特に全体模型では、検討している部屋の位置や方角を確認出来ます。

周辺の建物は「透明なアクリル素材」で大きさや高さだけ展示してあることが多いので、必ず現地に足を運んで自分の目で見て歩いてみましょう。

モデルルームはある意味「マイホームを夢見る」空間です。

華美な装飾に惑わされず、そのマンションの本質の部分を見る目を鍛えましょう。