無担保住宅ローンのメリット・デメリット

不動産コラム

住宅ローンを借入れすると、基本的には金融機関がその対象不動産(土地や建物、マンション)に担保を設定しお金を貸し出す仕組みになっています。登記簿謄本には「抵当権」という権利が設定されて、住宅ローンを全て支払い終えるまでは外すことができません。万が一支払いが滞り、返済不能に陥った時にはその不動産を取り上げられてしまいます。

実は、金融機関の中には無担保で住宅ローンを貸してくれるところもあります。

今回は無担保住宅ローンのメリット・デメリットをお話します。

無担保住宅ローンのメリット

①担保が不要

無担保=抵当権の設定が不要ということですので、万が一の時にも強制的に不動産を手放さなくて良いのが最大のメリットです。しかしいくら無担保住宅ローンだとしでも、支払い不能になってしまった場合には、その不動産を売却しなくてはならない状況も考えられます。

②審査が短時間で済む

住宅ローンの審査の過程では、あなた自身の職歴、年収、これまでの金融取引の実績などいわゆる属性の審査があります。さらに、本来であれば購入する物件自体も審査を受けます。いわゆる「担保評価」と呼ばれるものです。無担保住宅ローンではこの審査が不要となるので、トータルの審査時間が短くなります。物件に関する様々な資料を提出する手間も省けます。

③諸費用を抑えることができる

一般の住宅ローンを借入れすると、事務手数料や保証料、印紙代が必要になります。また、抵当権を設定するためには、司法書士に依頼しなくてはなりませんので登記費用も必要です。無担保の場合には、物件価格意外に必要となるいわゆる諸費用の大半を占めるこれらの費用がかからないので、全体的な費用を抑えられるメリットはあります。

無担保住宅ローンのデメリット

①借入れできる金額が低い

無担保でお金を貸し出すのは、銀行にとってリスクが高いことなので、実は借入できる限度額が低く抑えられています。一般の住宅ローンが最大1億円まで借入可能なのに対し、無担保住宅ローンでは1000万円や2000万円が限度とされています。

②借入期間が短い

また、返済期間も一般住宅ローンでは最大35年(申し込み時の年齢による)なのに対し、無担保住宅ローンは10年や20年といった短期間しか借入できません。

③金利が通常より高め

銀行はあなたの信用度だけを審査して貸し出すので、当然ながら金利が高くなってしまいます。一般の住宅ローンでは店頭金利から優遇幅を差し引いてくれたりしますが、その優遇幅が小さくなったり、基準金利にプラス何%と上乗せする場合もあります。

無担保住宅ローンの活用場面

無担保住宅ローンは借りやすい分、支払い面では条件が悪くなってしまうのは仕方がないことかもしれません。では、どういったケースで活用したら良いのでしょうか。実は、意外と資金使途が広いのです。

まずは、中古住宅で築年数が古い物件を購入するとき。無担保住宅ローンのメリットは物件審査がないことでした。あまりにも古い住宅の場合は担保評価が低くなり、希望の金額を借入れ出来ない可能性もあります。無担保であれば、心配ありません。

セカンドハウスや別荘を購入するとき。一般の住宅ローンは、自身が居住するための住宅を購入する目的であることが条件です。低金利で貸し出されているため、投資用として不正利用するケースが後を断たず問題となっています。資金の使い道があまり制限されないので、2つ目以上の住宅を購入する際には使いやすいと言えます。

さらにリフォーム費用やインテリア購入費用に充てることも可能です。

借替えにも利用できる

無担保住宅ローンは、実は借替えにも利用できます。イオン銀行では「無担保借替住宅ローン」という専用の商品もあります。

まずは借替えしたいけれど担保不足で諦めていた人。そして高金利時代に住宅ローンを借入れしていた場合には、金利を下げるだけでなく返済期間を延長することが出来るケースもあります。今よりも毎月返済やボーナス返済を下げることが可能な場合もあります。物件から担保を外したい場合にも、無担保住宅ローンへの借替えが有利です。

そして何よりも一般の住宅ローンへ借換えると必要になる諸経費(事務手数料、保証料、登記費用)も抑えることが出来ます。

「借入金額が低い」「借入期間が短い」という制限はありますが、一般の住宅ローンでは対応出来ない使い方ができるのが特徴です。無担保住宅ローンをメリットを知って、有効活用してみてください。