フラット35の「アルヒ」実は変動金利の住宅ローンがある?~「ARUHIスーパー40」を解説~

不動産コラム

フラット35取り扱い件数NO1の実績を誇る「アルヒ」(ARUHI)は、通常の銀行とは異なる住宅ローン専門の金融機関です。フラット35は住宅金融試験機構の全期間固定金利ローンで、アルヒもその取扱い金融機関の一つです。実は、アルヒではフラット35以外にも「変動金利」の住宅ローン「ARUHIスーパー40」があることをご存知でしょうか?ネット系の住宅ローンに比べれば金利や手数料などが特別お得なわけではありませんが、利用しやすいポイントがあります。今回はどんな人が「ARUHIスーパー40」に向いているかをお話します。

「ARUHIスーパー40」の商品概要

この住宅ローンの商品概要の中で、他の住宅ローンにはあまり見られない特徴をピックアップしてみたいと思います。

①前年の税込年収が100万円以上の方

まずは年収の下限金額です。大体の金融機関で定めている年収の下限金額は安くても「税込み200万円以上」です。ソニー銀行では「税込み400万円以上」とされているので、ずいぶん低く定められていることが分かります。

②年収に占めるすべての借り入れの年間合計返済額の割合が、40%以下の方

次に返済負担率の割合です。返済負担率とは年間支払う住宅ローンの返済額が年収にしめる割合です。通常は35%以内と定められていることが多いのですが40%以内と緩くなっています。多くの金額を貸してもらえる可能性も出てきますし、他銀行ではギリギリ範囲内に収まらない人も審査に余裕がでてくる効果があります。

③借入期間は最長40年

借入期間が最長40年という住宅ローンは、まだまだ取り扱っている金融機関も多くありません。たった5年ではありますが、返済回数が伸びると月々の支払額を抑えることができます。ただし、「融資期間を 36 年以上 40 年以内にする場合、一定の条件を満たす必要があります。」という注釈があります。完済年齢は80歳未満と定められていますので、全ての方が40年借入できるとは限りません。また連帯債務者の方がいる場合には、いずれかの年齢の高い方が基準となります。

「ARUHIスーパー40」が向いている人

上記の特徴を踏まえて、どんな人がこの住宅ローンが向いているでしょうか。

答えは「自営業・個人事業主」の方です。元々、通常の住宅ローンだと借り入れしにくい現実があり、最後の手段としてフラット35を利用するケースが多かったのですが、やはり固定金利と変動金利の差は大きく「返済金額」が高くなってしまうのがデメリットでした。一方「ARUHIスーパー40」の金利は変動金利で0.65%~0.95%(2023年6月適用金利)です。0.3%前後のネット系住宅ローンの変動金利に比べれば少々割高ですが、フラット35の金利1.26%~1.76%(団信加入)と比べると差は歴然としています。

また、「自営業・個人事業主」の方の年収の見方は給与収入の会社員等とは違います。確定申告書の中の「収入金額」(売上)ではなく、経費を除いた後の「所得金額」が基準となるのです。多くの自営業・個人事業主の方は、節税を目的として「所得金額」を低く抑えるのが一般的です。そのため、いざ住宅を購入しようとすると確定申告書上の所得金額が低いために希望金額が借り入れできない、返済負担率がオーバーする、といった不都合が起きていました。

「ARUHIスーパー40」の基準は「最低収入金額が100万円以上」さらに「返済負担率が40%以内」ですので、節税中の自営業・個人事業主の方には非常に使いやすい住宅ローンだと言えます。

店舗・事務所併用の住宅でも融資が受けられる

さらに、融資を受ける住宅に関する規定の中に「店舗付き住宅等の併用住宅の場合は、住宅部分の床面積が非住宅部分(店舗、事務所等)の床面積以上であることが必要です。」という文言があります。これは住宅部分の面積が2分の1以上あれば、店舗兼住宅、事務所兼住宅の物件でも融資を受けられるという意味です。通常の住宅ローンでは「専ら住居として使用する建物」に限定している場合が多いので、この規定も自営業・個人事業主の方にとっては非常にありがたいのではないでしょうか。

さらに戸建てでは40㎡以上、マンションでは30㎡以上という床面積要件(登記面積)があります。この数字はかなり小さめの住宅でも利用できることを意味しています。敷地面積も40㎡以上となっていますので、いわゆる狭小住宅でも利用可能です。中古物件でも利用可能ですので、マイホーム選びの選択肢が広がります。

これまで変動金利の住宅ローンを諦めていた自営業・個人事業主の方は、「ARUHIスーパー40」を検討してみてはいかがでしょうか。