フラット35「子育てプラス」(仮称)が新登場!ポイント制を詳しく解説

不動産コラム

2023年11月10日に住宅金融支援機構から発表された「子育てプラス(仮称)」。子育て世代の住宅取得を支援するために「フラット35」が拡充されるようです。大きなトピックスは「こどもの人数等に応じて金利を引き下げる」、そして「金利引き下げ幅を最大年マイナス1.0%に拡充」の2点です。

最近のフラット35の金利優遇制度は「ポイント制」に変わっていますが、「子育てプラス」ではどのようなポイント加算がされるのかを詳しく見てみましょう。

家族構成に応じてポイント加算

新しい制度「子育てプラス」(仮称)では、家族構成に応じてポイントが加算されることになっています。

  • 若年夫婦または子ども1人なら1ポイント

1ポイントは当初5年間0.25%の金利引き下げとなります。

ここでいう若年夫婦とは、借り入れ申し込み時に夫婦(同性パートナーを含みます。)であり、借り入れ申し込み年度の4月1日において夫婦のいずれかが40歳未満であること、となっています。

また子どもについても、借り入れ申し込み年度の4月1日において18歳未満であることという条件があります。成人年齢が18歳に引き下げられたため18歳未満となっているのですが、反対にまだ生まれていない胎児も子どもに含みます。また孫の場合はその人との同居が必要とされているので、3世代同居を意味します。

  • 子どもの人数に応じてポイント加算

子ども1人あたり1ポイントということは、子ども2人で2ポイント、3人で3ポイントという計算になります。2ポイントでは当初5年間0.50%金利引き下げ、3ポイントでは当初5年間0.75%引き下げです。それ以上の場合は「子どもN人=1ポイント×N」という計算になります。

「子育てプラス」は新築戸建住宅、新築マンション、中古住宅、中古住宅+リノベ、どのパターンでも利用可能です。まずは、家族構成を確認することからスタートしましょう。

住宅の性能に応じてポイント加算

「子育てプラス」では他の金利優遇との併用も可能です。次は「住宅の性能」を確認しましょう。

融資を利用する住宅が「フラット35S」に該当するならば、さらにポイントを加算することができます。

  • ZEH=3ポイント
  • 金利Aプラン=2ポイント
  • 金利Bプラン=1ポイント

「中古住宅+リノベ」の場合は「フラット35リノベ」で

  • 金利Aプラン=4ポイント
  • 金利Bプラン=2ポイント

が加算となります。

住宅の管理・修繕も確認しよう

さらに「フラット35機能保全型」の対象となる場合には、ポイント加算があります。

上記の「フラット35リノベ」を選択した場合には、フラット35機能保全型は併用できないので注意しましょう。

新築戸建、新築マンション、中古住宅の3区分で共通しているのが

  • 長期優良住宅=1ポイント

新築マンションでは

  • 予備認定マンション=1ポイント

中古住宅では

  • 管理計画認定マンション=1ポイント
  • 安心R住宅=1ポイント
  • インスペクション実施住宅=1ポイント
  • 既存住宅売買瑕疵保険付保住宅=1ポイント

となっています。

エリア独自の支援を確認しよう

最後に住宅のあるエリアが「フラット35地域連携型」もしくは「フラット35地方移住支援型」の対象になっているかを確認します。

  • 子育て支援・空き家対策=2ポイント
  • 地域活性化=1ポイント
  • 地方移住支援型=2ポイント

(ポイント加算を行わず地方移住支援型を単独で利用する場合には、当初5年間マイナス0.6%の金利優遇となります。)

以上4段階で確認したポイントを合計し、トータルで受けられる金利優遇を判別します。

1ポイント=当初5年間 年▲0.25%

2ポイント=当初5年間 年▲0.50%

3ポイント=当初5年間 年▲0.75%

4ポイント=当初5年間 年▲1.00%

5ポイント=当初5年間 年▲1.00% 

     6~10年目 年▲0.25%

6ポイント=当初5年間 年▲1.00% 

     6~10年目 年▲0.50%

ケーススタディで具体例を見てみよう

まずはケース1:若年夫婦または子ども1人の家族がZEHかつ長期優良住宅を取得する場合

  • フラット35子育てプラス=1ポイント
  • フラット35S(ZEH)=2ポイント
  • フラット35機能保全型=1ポイント

合計5ポイントで当初5年間は年1.00%、6~10年目年0.25%の引き下げです。

ケース2:子供3人の家族でフラット35地域連携型(子育て支援)が利用できるエリアにZEHかつ長期優良住宅を取得する場合

  • フラット35子育てプラス=3ポイント
  • フラット35(ZEH)=3ポイント
  • フラット35機能保全=1ポイント
  • フラット35地域連携型(子育て支援)=2ポイント

合計9ポイント

4ポイントで5年間最大年1.00%となるので、この場合は当初10年間年1.00%、11年目~15年目に年0.25%金利引き下げとなります。

上手く組み合わせると、長期間に渡って大きく金利優遇を受けることが可能になります。長期固定金利は上昇気味ですが、はやり固定金利の安心感は魅力的です。ぜひ、「家族」「住宅」「エリア」を確認して活用してください。

子育て世帯を応援する【フラット35】子育てプラス 2024年2月13日スタート! ~令和5年度補正予算における制度拡充~:長期固定金利住宅ローン 【フラット35】

※注意

フラット35子育てプラス(仮称)は令和5年度補正予算の成立を前提とした制度です。予算成立後、住宅金融支援機構がお知らせする日の資金受け取り分から適用となります。