長期金利が上昇中!今後の住宅ローン金利の動向は?

不動産コラム

日本銀行は去る10月31日の融政策決定会合で、大規模な金融緩和策の一環で低い水準に抑えてきた長期金利について、上限としてきた1・0%を「めど」とし、これを上回る金利上昇も一定程度容認する方針を決めました。長期金利は7月にも一度、上限が事実上1・0%に引き上げられていました。今回の決定で、さらに明確な上限設定をやめたことになります。これによって住宅ローンの長期金利は、ダイレクトに影響を受けることとなりました。

メガバンク3行の11月長期金利動向

メガバンク3行(三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行)は、11月の住宅ローン固定型の金利を引き上げると発表しました。10年固定金利は0・10~0・15%幅で引き上げられ、各行の水準は10~12年ぶりの高さとなっています。しかも3行揃っての引き上げはここ4か月連続して行われています。

各銀行の10年固定基準金利は

三菱UFJ銀行・・・3.82%(+0.10%)

三井住友銀行・・・3.94%(+0.15%)

みずほ銀行・・・・3.65%(+0.10%)

優遇金利を適用後の金利は

三菱UFJ銀行・・・1.04%

三井住友銀行・・・1.29%

みずほ銀行・・・・1.55%

となっています。12月以降も長期金利は引き続き上昇していく可能性が高まっており、来年春にかけて

0.2%~0.3%上がる見込みです。

変動金利から固定金利へ借り換えるべき?

いよいよ長期金利が上昇気流に乗ってきたとなると、現在変動金利で住宅ローンを借入している人の中には「今のうちに固定金利に借り換えした方が良いのか?」と考える人もいるかもしれません。

しかし、変動金利はベースとなる「短期金利」に今のところ動きがありません。今回の長期金利の引き上げは短期金利には影響がないので、変動金利から急いで借り換えする必要はないでしょう。

現時点で変動金利と固定金利での当初返済額を比較してみると、このようになります。

三菱UFJ銀行 35年返済 5,000万円借入 ボーナス払いなし

変動金利 0.345%  126,396円

10年固定 1.04%  142,076円

月々の支払額の差は15,680円になります。

みずほ銀行の場合には同じ条件で

変動金利 0.375%  127,049円

10年固定 1.55%  154,319円

月々の返済額の差は27,270円にもなります。

このようにまだ約2~3万円の差があるとなると、すぐに固定金利へ借り換えるのは得策ではありません。固定金利で支払っているつもりで差額を貯蓄し、万が一将来、変動金利が上がってしまった時に貯蓄分を返済に回すのが良いでしょう。

変動金利は当初10年の金利を抑えるのがポイント

住宅ローンの返済はほとんどの人が「元利均等返済」を選択します。毎月の返済金額は「元金」+「利息」の合計金額となっていますが、元利均等返済では毎回の返済金額が一定になっているのが特徴です。一方で返済当初は「利息」の占める割合が多く、返済回数を重ねるごとに「元金」の返済割合が大きくなっていく仕組みです。そのため、初期の段階では思ったほど元金が減っていないと感じることがあります。それもそのはずで、35年返済の住宅ローンでは、最初の10年間で金利総額の約半分を支払っていることになります。つまり金利負担が重くのしかかる当初10年間を、いかに低金利で済ませるかがポイントになるのです。

元利均等返済イメージ

現在の固定金利を変動金利が上回るほど上昇するには、少なくとも日銀が7回以上利上げしないと不可能だと言われています。現段階ではすぐには金利が上昇しない変動金利の方が、有利に返済できると考えられます。

ネット銀行の変動金利は引き下げキャンペーン中

メガバンクよりもさらに低金利で利用できるネット銀行は、そろってキャンペーンを打ち出しています。

例えばauじぶん銀行では「携帯電話」「インターネット」「でんき」「テレビ」をセットで利用すると、住宅ローン適用金利から最大0.15%の引き下げを受けられます。

2023年11月の新規借り入れは年0.319%が年0.169%に、借り換えでは年0.298%が年0.148%に引き下げとなり話題となっています。

住信SBIネット銀行では「頭金20%以上で年0.298%」

PayPay銀行では「頭金10%以上で年0.315%」

ソニー銀行では「頭金の有無に関わらず年0.397%」

といったキャンペーンも行われています。

当分は変動金利が上がる要因はありません。利用条件をしっかりと確認し、少しでも有利な住宅ローンを選択してください。