「専有面積=広さ」じゃない?マンションの面積の正しい見方

不動産コラム

マンションを探すとき、多くの人がまず注目するのが「専有面積」です。しかし、この専有面積には複数の種類があり、数字だけを見て判断すると「思ったより狭い」「図面の印象と違う」といったギャップが生まれがちです。特に中古マンションでは、広告に記載される面積と登記簿に記載される面積が異なるため、正しい理解が欠かせません。

この記事では、壁芯面積(パンフレット面積)と内法面積(登記面積)の違い、アウトフレーム工法のメリット、そして中古マンション購入で重要になる税制優遇と内法面積の関係まで、マンションの面積表示を正しく読み解くためのポイントをわかりやすく解説します。

専有面積には「壁芯」と「内法」の2種類がある

壁芯面積(へきしんめんせき)

パンフレットや広告に使われる面積で、壁の中心線(芯)から計測する方法です。壁の厚みの半分が面積に含まれるため、実際に使える空間よりも広く表示される傾向があります。

内法面積(うちのりめんせき)

登記簿に記載される面積で、壁の内側の実際に使える空間のみを計測します。壁の厚みは含まれないため、壁芯よりも小さくなるのが一般的です。

壁芯と内法の差はどれくらい?

一般的には、壁芯面積の方が内法面積より5〜10%ほど大きくなると言われています。例えば、壁芯70㎡と表示されている部屋なら、内法では63〜66㎡程度になるイメージです。

ただし、構造や壁厚、柱の位置によって差は変わります。数字だけでは実際の広さを判断できない理由がここにあります。

よくある勘違い

● 「70㎡なら広いはず」

前述のとおり、壁芯70㎡でも内法では65㎡前後になることが多く、体感としては「ややコンパクトな3LDK」という印象になることもあります。

「同じ70㎡ならどのマンションも同じ広さ」

同じ㎡数の間取りだったとしても、構造、柱の位置、間取りの効率、天井高などによって体感は大きく変わります。廊下の距離が長いか短いかでも、居室空間の広さが変わってきます。 バルコニーは専有面積に含まれない

意外と誤解されやすいポイントですが、バルコニーは専有面積には含まれません。 バルコニーは「共用部分の専用使用権」という扱いで、あくまで共用部分の一部です。

そのため、

専有面積70㎡

バルコニー面積10㎡

と記載されている場合、実際に「自分だけが使える室内空間」は70㎡のみです。バルコニーが広いと全体が広く感じるため、数字以上の印象を与えることがありますが、専有面積には含まれない点は押さえておきましょう。

アウトフレーム(アウトポール)工法とは?

最近の新築マンションで増えているのがアウトフレーム工法です。これは、柱や梁を住戸の外側に出す工法で、室内に出っ張りが少なくなるのが特徴です。

● アウトフレーム工法のメリット

・室内の壁面がフラットになり、家具配置がしやすい

・同じ面積でも広く感じる

・デッドスペースが減り、間取りの自由度が高い

柱が室内に出ていると、ソファやベッドの配置が制限されることがありますが、アウトフレームなら空間を無駄なく使えます。

また壁芯面積を算出する場合に余計なコンクリート部分を含まないため、内法面積との差が小さくなるというメリットがあります。

数字だけではわからない「体感の広さ」

マンションの広さは専有面積だけでは判断できません。体感の広さを左右する要素は他にもあります。

・天井高

・窓の大きさ・採光

・廊下の長さ

・収納の配置

・柱、梁の出っ張り

同じ70㎡でも、廊下が短く居室に面積が割かれている間取りは広く感じます。

税制優遇を受けるなら「内法面積」に要注意

マンション購入時に見落とされがちですが、税制優遇を受けるうえで非常に重要になるのが「内法面積(登記簿面積)」です。

住宅ローン控除や登録免許税の軽減措置など、多くの制度では「床面積50㎡以上」(一部では40㎡以上)という要件が設けられています。

ここで注意したいのが、この「床面積」は登記簿に記載された内法面積で判定されるという点です。

一般的に、販売図面に記載されている専有面積は「壁芯面積」であることが多いため、数字だけを見ると条件を満たしているように見えても、実際には適用外となるケースがあります。

たとえば、壁芯面積が51㎡でも、内法面積が48㎡であれば、住宅ローン控除などの対象外となる可能性があります。この差は決して珍しいものではなく、特に境目に近い物件では注意が必要です。

この問題は新築・中古マンションを問わず共通の注意点ですが、特に中古マンションでは登記簿面積を事前に確認できるため、購入前に必ずチェックしておきたいポイントです。

税制優遇は数十万円単位の差になることもあるため、専有面積の「見た目の広さ」だけでなく、制度上の基準となる面積もしっかりと確認しておきましょう。

数字よりも“暮らしの実感”を優先すること

専有面積はあくまで“目安の数字”であり、実際の住み心地とはイコールではありません。

「㎡数が大きい=広い」と考えるのではなく、空間の使いやすさまで見ることが、後悔しないマンション選びにつながります。物件選びの際には、是非参考にしてください。