2025年12月26日、政府は令和8年度(2026年度)税制改正大綱を閣議決定し、住宅ローン控除制度の延長および拡充を盛り込むことを正式に発表しました。住宅ローン控除は、住宅を購入する際にかかる金利負担を軽減するための重要な税制優遇措置であり、マイホーム取得を後押しする制度として長年親しまれてきました。
今回の改正では、制度の適用期限が5年間延長されるだけでなく、既存住宅(中古住宅)やコンパクト住宅への支援が大幅に強化されるなど、これまで以上に多様な住まいの選択肢を後押しする内容となっています。特に、若年層や子育て世帯にとっては、住宅取得のハードルを下げる大きな追い風となるでしょう。
住宅ローン控除、適用期限が2030年まで延長!
今回の税制改正で最も注目されるのが、住宅ローン控除の適用期限が5年間延長された点です。これにより、2026年1月1日から2030年12月31日までに入居した住宅が新たに控除の対象となります。これまでの制度では、2025年末までに入居した住宅が対象とされており、住宅購入を検討していた方にとっては「駆け込み需要」が懸念されていました。しかし、今回の延長により、今後5年間にわたって制度の恩恵を受けられることが確定し、より計画的に住宅取得を進めることが可能になります。
また、控除期間は最大13年間とされており、長期的に税負担を軽減できる点も大きな魅力です。住宅ローンの返済が長期にわたることを考えると、この控除期間の長さは家計にとって非常に心強い支援となります。
既存住宅(中古住宅)への支援が大幅に拡充
これまでの住宅ローン控除制度では、新築住宅に比べて既存住宅への支援が限定的であり、中古住宅を選ぶ際のハードルとなっていました。しかし、今回の改正では、省エネ性能の高い既存住宅に対しても新築と同等の支援が受けられるよう、借入限度額の引き上げが行われます。
さらに、子育て世帯や若年夫婦世帯に対しては、借入限度額の上乗せ措置が適用されることが明記されており、これまで以上に手厚い支援が期待できます。これにより、築年数が比較的浅く、リフォームやリノベーションによって性能が向上した中古住宅の需要が高まることが予想されます。
中古住宅市場の活性化は、空き家問題の解消や地域の再生にもつながるため、社会的にも大きな意義を持つ改正といえるでしょう。
床面積要件の緩和で、都市部の住宅も対象に
これまで住宅ローン控除を受けるためには、住宅の床面積が50㎡以上であることが原則とされていました。しかし、都市部では土地価格が高く、50㎡未満のコンパクトな住宅やマンションも多く存在します。こうした現状を踏まえ、今回の改正では床面積要件が40㎡以上に緩和されることになりました。
この変更により、特に単身者やDINKs(共働き子なし世帯)など、コンパクトな住まいを求める層にとっても住宅ローン控除の恩恵を受けやすくなります。ただし、合計所得金額が1,000万円を超える場合や、借入限度額の上乗せ措置を受ける場合には、従来通り50㎡以上の床面積が必要となるため、注意が必要です。
災害リスク地域や省エネ基準未達住宅は対象外に
一方で、すべての住宅が控除対象となるわけではありません。今回の改正では、災害リスクの高い地域に新築される住宅や、2028年以降に建築確認を受ける省エネ基準未達の住宅については、住宅ローン控除の対象外とする方針が示されました。
これは、地球温暖化対策や防災意識の高まりを背景に、より安全で環境に配慮した住宅の普及を促すための措置です。今後住宅を新築する際には、建築予定地の災害リスクや、省エネ基準への適合状況をしっかり確認することが求められます。
制度を活かすために今からできること
今回の税制改正は、今後の通常国会で関連法案が成立することが前提となっていますが、例年の流れを踏まえると、大きな変更なく成立する見込みです。とはいえ、制度の詳細や適用条件については、今後の政省令や国税庁の通達などで明らかになるため、住宅購入を検討している方は引き続き最新情報をチェックしておくことが重要です。
また、住宅ローン控除を最大限に活用するためには、住宅の性能や立地、床面積、所得要件など、さまざまな条件を満たす必要があります。住宅購入前には、税理士や不動産会社、金融機関などの専門家に相談し、自分にとって最適な選択肢を見極めることが大切です。
今回の改正は、環境に配慮した住宅選びや、多様なライフスタイルに対応する住まいの選択を後押しする内容となっています。特に中古住宅やコンパクト住宅を検討している方にとっては、大きなチャンス。制度を上手に活用して、理想の住まいを手に入れましょう!

