これからマイホーム購入を考えているファミリー世代にとっては、マイカーも必需品です。低金利時代が続く中、住宅ローンもマイカーローンも組みたいと考えている人も多いでしょう。ですが、どちらも借入れですから当然審査があります。また、借りる順番を間違えてしまうとローンが通らない、あるいは十分な金額が借りられないといった結果になってしまいます。今回は住宅ローンとマイカーローンを上手に借入するためのコツをお話しします。
すでにマイカーローンを借りている人
すでにマイカーローンを支払い中の人が、住宅ローンを借り入れしたい場合。
例えば、
毎月25,000円（年10回）
ボーナス月50,000円（年2回）
上記の支払いをしているケースでは、1年間で35万円を支出していることになります。住宅ローンの審査をする時には、この35万円を住宅ローンの年間支払い額に加えることになります。つまり、トータルで家計の支出がいくらになるのか、あなたの年収で支払える範囲に収まっているかを審査します。この割合のことを「返済負担率」と呼び、住宅ローンの審査基準の大きな柱となっています。
マイカーローンがある人は住宅ローンをいくら借りられる？
先ほどのマイカーローンを支払い中の人の税込年収が500万円だった場合、住宅ローンがどれだけ借りれるかを計算してみましょう。フラット35の場合は、毎月の実行金利が審査金利となります。（銀行の審査金利は3～4％です）2022年2月の21年以上35年以下9割以内の金利1.35％で計算すると、3,903万円が限度額です。
ちなみに3,900万円をボーナス払いなしで返済した場合の毎月の支払額は、116,567円。マイカーローンを合わせると、141,567円です。
住宅ローンの審査では税込年収で計算するため、実際の支払額は毎月の手取り年収で考えたほうが安全です。審査上は返済負担率が35％以内（フラット35 では年収400万以上）となっていますが、手取り年収で安全とされているのは20％～25％と言われています。
年収500万円の25％は125万円、これが無理のない年間返済額となります。ここからマイカーローンの年間返済額35万円を引いた90万円、これが住宅ローンの年間支払額隣ます。12ヶ月で割ると75,000円。先ほどの利率でこの支払額になる借入額は、2,509万円となります。計算上の最大借入金額は3,903万円でしたが、無理なく支払っていける借入額は2,509万円という結果になりました。
1,400万円の差はかなり大きいので、場合によっては物件を選び直したり自己資金を増やしたり、資金計画を練り直す必要も出てきます。もし一括完済ができるのであれば、マイカーローンを0にする前提で審査することも出来ます。また残りの支払い回数があと数回で、住宅ローンの借り入れまでに修了するケース場合などは除外して審査してくれる場合もあります。いずれにしてもマイカーローンの契約を正確に把握する必要があるので、明細書を必ず確認しましょう。
マイカーローンがない人は住宅ローンをいくら借りれる？
一方で、まだマイカーローンも住宅ローンも返済していない人はどうなるでしょうか。先ほどの例で同じ条件で計算してみると、借入限度額は4,879万円になります。マイカーローンがないだけで、1,000万円近く限度額が伸びました。また、同じように支払いに無理のない返済負担率25％で計算すると、3,479万円という結果になります。
住宅ローンはマイカーローンよりも年数が長く、また金利も低いため、年間35万円というマイカーローンの支出が大きく響いているのが分かります。買い替える頻度を考えてみると圧倒的にマイホームの方が長く住みますし、住宅ローンの借り換えも今以上の低金利にならない限りは行わないでしょう。
つまり、マイカーローンよりも住宅ローンを先に借りた方が資金計画を立てやすくなりますし、審査も通りやすくなります。ここで絶対にやってはいけないのは、住宅ローンの資金実行前にマイカーローンを組むことです。住宅ローンの審査上、借入が増えたと見なされせっかく承認されていた申し込みが否決や減額となってしまいます。マイカーローンの申し込みは住宅ローンの支払いが始まってからにしましょう。また、マイカーローンにも同じように年収に対する制限が設けられています。無理のない家計収支の範囲内で申し込みましょう。
住宅ローンとマイカーローンは1つにまとめられる？
住宅ローンをマイカーローンをまとめて借りられませんか？という質問を受けることがあります。結論としては「NO」です。それは、金融機関のローンには「何に対しての貸付か」が決まっており、全く商品が別物なの明日。
よく聞く「おまとめローン」でも、住宅ローンとマイカーローンの抱き合わせは不可能です。その他のショッピングローンやキャッシングとマイカーローンをまとめられるケースがあるかもしれませんが、金利が高い場合があります。まとめるメリットがあるかはよく確認しましょう。
