中古マンションの見学会−事前準備と見るべきポイントとは?−

不動産コラム

中古マンションは新築マンションとは違って、モデルルームなどがありません。気に入った中古マンションのお部屋を実際に内覧できる日(見学会)には、どこをチェックしておくべきなのでしょうか。事前に準備しておくべきこと、見学会当日に必ず確認すべきポイント、持参物などをご紹介します。

事前に質問事項をまとめておこう

中古マンションでは、すでに空き家になっているケースとまだ実際に入居しているケースがあります。いずれも不動産会社の営業マンに案内をしてもらうわけですが、入居者がいる場合には直接、住み心地などリアルな声を聞くことが出来るチャンスでもあります。

  • 買い物、病院、金融機関など生活利便施設について
  • 通勤、通学時間の混み具合
  • 幼稚園や保育園の倍率
  • 小学校、中学校の雰囲気
  • 上階からの音の聞こえ方
  • 夜道の危険度
  • このマンションに住んで良かったこと、、、など。

実際に生活してみて感じること、体験したことなどを聞けるチャンスです。

事前に、聞きたいことをリストアップしておきましょう。同時に、自分たちがマンション選びをするに際に譲れないポイントなども話し合っておくと良いですね。

見学会は最寄りの駅からスタート

見学会当日は、出来れば最寄りの駅(バス停)から歩くのがおすすめです。資料など紙の上では分からないことが沢山あるはずです。交通量や道路幅、信号の数、人通り、街灯の数、どんなお店があるかなど、「実際にここに住んだら」という目線で歩いてみましょう。さらにマンション現地に到着したら、まずはぐるりと敷地周辺を歩いてみましょう。この時、植栽の手入れが行き届いているか、バルコニーの利用状況、外壁のひび割れ、タイル剥がれがないか?などを見ます。

駐車場や駐輪場なども要チェックポイントです。駐車場にはどんな車がありますか?高級外車が多い、ファミリーカーが多いなど、ある程度入居者層を想像することが可能です。自転車は整然と並べられていますか?本来置いてはいけない場所にありませんか?共用部分の利用の仕方も大切です。

いよいよ、エントランスに入ったら必ず掲示板や集合郵便受けをチェックします。掲示板には住民へのお知らせや注意事項が掲示されています。このマンションで問題になっていることが読み取れます。郵便ポストに溢れ出るほどのチラシが投函されていたり、周辺に散らかっていないかも確認しましょう。エレベータに乗ったら、落書きがないかなどを見ましょう。

中古マンションでは入居が始まって数年経過していますので、明るさや匂い、五感で感じる雰囲気は非常に大切です。

お部屋に入ったらここを見よう

まず、お部屋に入る際に「裸足は厳禁」です。必ずスリッパを持参しましょう。特にまだ現入居者が住んでいる場合にはプライバシーに気を配り、各部屋に入る時にも勝手にドアを開けないようにしましょう。写真撮影なども許可を取ってから、いずれは売主と買主の立場になるかもしれないお相手ですので失礼のないようにしましょう。

室内のチェックポイントは

・室内のにおい、雰囲気
玄関ドアを開けた瞬間から感じる匂いや雰囲気、第一印象は大事です。

・開口部の方角、眺望、日当たり、風通し
図面を見ながら東西南北の確認をしましょう。窓から見える景色、隣の建物との距離なども確認します。その時にサッシの開け閉めに支障がないかも見ておきましょう。

・天井高、梁や柱の位置
天井高は数字で見てもよく分からないものの一つです。高いに越したことはありませんが、廊下や下り天井部分の低くなっている箇所が許容範囲かなども確認しましょう。柱などが出ている部分も家具の配置に影響しますので必ず見ましょう。

・壁
経年とともに剥がれたり変色するのは仕方ありませんが、自分たちで張り替えるのであれば予算を考えておきましょう。隣の部屋との境の壁の厚さも確認しましょう。

・床
床の傾きや軋みをチェックします。水平器やビー玉を持参すると良いです。ドアが床と擦れて開きにくくなっていると、歪みが生じている場合があります。上下階の音の聞こえ方も遠慮なく聞いておきましょう。

・水回り(トイレ、洗面、バスルーム)
カビが生えていないか、排水溝から嫌なにおいが上がってきていないかを確認しましょう。給湯器の取り替え実績の有無も聞いておきましょう。

・キッチン
使いやすい動線や形状か、蛇口の付け根が緩んでいないか、可能であればシンク下に水漏れなどがないかも見ておきましょう。

・間取り
現状の間取りのまま住むのか、壁の位置や間取りをリフォームするのか、イメージしながら見学しましょう。当日は必ず間取りずを持参し、必要なことを書き込めるように準備しましょう。

カーテンの寸法、洗濯機や冷蔵庫のサイズ、ベッドなどの大きな家具置き場など、採寸したい場所があるならメジャーを持参するのがおすすめです。採寸をおろそかにしていると、お気に入りの家具・家電が置けないという残念な事態にも。大型のソファーは搬入可能か、エレベーターのサイズも見ておきましょう。

検討の状況は早めに伝えよう

見学を終えてそのマンションが気に入った場合は、早めに購入意思を担当者と売主に伝えましょう。また、いくつかの選択肢の一つとして検討する場合も、その旨を正直に伝えましょう。迷っている間に申し込みが入ってしまったり、ほんのわずかな時間差で2番手となってしまうこともあります。

また、お断りする場合にもきちんと連絡しましょう。良かったことダメだったことをきちんと整理することで、あなたの希望に合う物件と出会う近道にもなります。