女性単身者のマンション購入ー物件選びのポイントと住宅ローンー

不動産コラム

最近は男性のみならず、女性名義で不動産を購入する人口が増えてきました。ひと昔前には、夫婦や家族がいる人が、一家の大黒柱であるご主人名義で購入し住宅ローンを組むのが主流でした。しかし、賃貸で家賃を支払い続けるのがもったいないと感じたり、将来の資産形成のために不動産を購入しておこうとするのは皆共通です。今回は女性単身者がマンション購入、そして住宅ローンを組む際のポイントをお話します。

単身女性のマンション購入年齢

「単身女性がマンションを買う」と言うと、どんな印象を持ちますか?

何千万円もの住宅ローンを1人で背負うのか?
親世代に言わせれば、「とんでもない!!」と大反対されるケースもまだまだ多いでしょう。

しかし、実際には女性の社会進出とともに「女性の不動産購入での資産形成」のセミナーが開催されたり、単身女性のマンション購入は珍しいことではありません。

実際に、分譲マンションを購入した単身女性の多くが

・このまま家賃を支払い続けるのがもったいない

・高い家賃を支払っていても、防犯面に不安がある

・収納が少なかったり、水回りの設備に不満がある

・定年後の住居を確保しておきたい

などの動機で、物件探しを始めています。
こうした理由は、家族がいるいないに関わらず、みんな共通している内容です。

ちなみに、一般社団法人「女性のための快適住まいづくり研究会」が女性会員へ行ったアンケートによると、35歳~44歳がマンション購入のピークとなっています。さらに、全体でみると約半数が39歳までに購入しています。
一方で20代後半~30代前半の若年層は約22%、40代後半~50代前半の熟年層で約21%、というように世代間にばらつきはあるものの、あまり年齢に関係なくマンション購入を考えているといえます。

ただやはり収入がある程度安定し、ローンの期間もしっかり長期で組める年齢での購入が安心できるようですね。

家賃程度のローン支払いで得られる安心と安全

現在の家賃とそう変わらない支出でレベルの高い防犯設備を備えた住宅に住めるのならば、女性にとってこんなに心強いことはありません。

賃貸であっても最低限オートロックは欲しい設備ですが、最近の分譲マンションではさらに警備会社と連携した防犯設備が整っていたりします。玄関ドアの鍵も、街の鍵屋さんでは複製できない特殊なものだったり、防犯カメラがきちんと取り付けられているのも犯罪の抑止力になります。

また、入居者の入れ替わりが激しい賃貸物件と違い、分譲では入居者がきちんとわかっているのも安心です。
ただし、いわゆる「投資用物件」と言われる1R~1LDK中心の物件だと、オーナーは入居せずに賃借人ばかりになってしまいます。そうなると高級な賃貸マンションと変わらないことになりますので、その物件特性をよく吟味しましょう。

また、最寄りの駅やバス停からの道のりも重要です。物件そのものが快適でも、夜道の安全性が低くては話になりません。地図上だけでなく、必ず昼と夜に自身の足で現地を歩いてみるのがお勧めです。人通りが多いか、街灯やお店の照明で道が明るいか、死角が無いかなど、自分の目できちんと確かめましょう。

立地は最大限に吟味しよう

物件の立地は、とにかく利便性を追求しましょう。通勤や買い物、遊びに便利な都心部がお勧めです。また、駅からの距離は徒歩8分以内がお勧めです。
将来、結婚や出産などで転職や転居する可能性も考えて、売却したり賃貸に出す時少しでも有利になります。

また、災害時のことも考えて、地盤がどうなっているかもよく確認しましょう。埋立地や山を切り崩して整備した土地はリスクが高めです。行政がHPなどで公開している災害ハザードマップを参考にするのもひとつです。日々の安心感と、将来の資産性にも影響します。

女性向けの住宅ローンも

女性単身者向けの住宅ローンも商品が増えています。

女性向けの住宅ローンでは、女性特有の疾病にかかった時の保障が充実していたり、もしも働けなくなった時のローン返済支援保険などが付いていたり、また産休・育休中は元金据え置きが可能だったりという特徴があります。

しかし、実際には通常の住宅ローンでも「性別」によって区別されることはありません。従来通り「借入時・完済時の年齢」、「健康状態」、「物件の担保評価」、「年収」、「勤続年数」などが重要項目として審査されるので、これらを意識しておく必要はあります。

また、フラット35では正社員でなくても申し込みが可能です。一般の銀行では門前払いになりやすい契約社員や派遣社員、パート・アルバイトでも可とされています。審査が厳しい場合は、収入がある親や祖父母と親子リレー返済も可能です。この場合同居は条件になりませんので、ローン借り入れに協力をお願いすることも一つの方法です。

資産として運用する意味で、マンション購入を考えてみてはいかがでしょう。