マイホーム購入に欠かせない住宅ローン審査ですが、最近では事前審査に「AI」を活用している銀行が多いようです。これは申し込みをした人に点数をつけ、一定以上の点数なら承認、それに満たなければ非承認という「スコアリング審査」と呼ばれる方式です。申込自体もWEBで完結する形式が多いですが、これはそのままフォームに入力された内容が、そのままスコアリング審査に使われていることを意味しています。
今回は、避けて通れない事前審査において絶対やってはいけないNG行動をお話します。
年収などの「数字を盛る」
これまでの住宅ローン事前審査では、紙の専用申込書に必要事項を記入して申し込む形が主流でした。しかし、最近ではほとんどの銀行でWEB申し込みのシステムが構築されています。もちろん、「入力間違い」は極力させるべきなのですが、特に年収の金額を盛って入力することだけはやめましょう。
特に事前審査の段階では、あなたの自己申告データに基づいて審査が進められます。申告内容は「事実である」ことが大前提となっているので、実際の年収よりも大きな金額を申告するようなことは決して許されません。「実際の金額を申告すると、審査に落ちるかもしれないから・・・」といった、安易な考えは捨てましょう。
万が一、虚偽申告をして審査を通過したとしても、そのウソは必ずバレてしまいます!事前審査の段階で、必要書類を添付する、添付しない、両方のケースがあると考えられますが、いずれにしてもどこかの時点で「年収」に関する書類の提出は必須となっています。
会社員であれば、ひとまず最新の「源泉徴収票」、自営業などの人は「確定申告書」これらの書類に記載されている数字を必ず照合します。数万円~50万円程度の差異であれば銀行側もあまり気にしませんが、年収400万円を800万円などと申告するのは絶対にNGです。
さらに「源泉徴収票」などの書類に手を加えるなど、もってのほかです。源泉徴収票は、勤務先が発行している書類で「公的な証明書」には当たりません。事前審査の段階では、源泉徴収票にて「年収金額」を把握しますが、最終的には「本申込」の際に自治体や税務署が発行する「公的な収入証明書」の提出が必要です。ここで、源泉徴収票で把握していた金額と公的証明書の金額に差異があると、問題視されることとなります。
いずれにしても、年収の金額は絶対にウソをついてはいけません。
健康状態も正直に
住宅ローン審査においては、ローンの審査に加えて「団体信用生命保険」の審査も行われます。ほとんどのローンにおいては団体信用生命保険への加入が必須となっており、健康状態の申告が必要です。ここでも、告知書に書かれている内容に従って正直に記入することが求められます。
病歴、通院歴などを隠して「なし」と記入し、無事にローンが実行されたとしても、万が一保険金の対象状態となった際には、必ず疑わしい点がないかを審査されます。もしも「虚偽告知」や「未申告」によるウソがバレてしまうと、団信の保険金が支払われないという事態になります。これは実際に起こっている話で、残された家族がローンの返済を丸々引き受ける羽目になってしまいます。
病名、治療履歴、服用している薬などは、正確に記入しましょう。病気やケガの履歴がある=保険に加入できないというわけではありません。時には「医師の診断書」などを追加で求められる場合もありますが、その上で承認になるケースも多々あります。病歴がある人向けの「ワイド団信」や、団信加入が任意の「フラット35」もあります。
不安がある場合には、早めに営業担当や銀行に相談しましょう。事前審査の段階で「先行団信」を行っている銀行もありますので、ローンの審査+生命保険の審査ダブルで承認を得ておけば心配ありません。
また、40代以降となれば「血圧」や「コレステロール」の投薬を受けている人が多くいらっしゃいます。数値にもよりますが、どちらかと言えばきちんと定期的に通院して薬でコントロールしている方が好意的に受け取られるようです。健康診断で「要治療」の結果が出ているにもかかわらず、何も治療していない方が問題ととられるようです。こうした「生活習慣病」的な投薬を受けている場合にも、きちんと記入するよう心がけましょう。
住宅ローンの審査においては、必要書類を提出した時点であらゆる申告内容についての裏付けがされることになっています。その場しのぎのウソ、虚偽申告は、その後の審査に影響するだけでなく、あなた自身の信用も傷つけることになります。「正確に」「正直に」申告しましょう。