マンション購入前に必ず確認したい!ハザードマップの種類と注意点

不動産コラム

マンションを購入する際、立地や価格、間取りなどに目が向きがちですが、忘れてはならないのが「災害リスク」の確認です。近年、台風や豪雨、地震などの自然災害が頻発しており、住まい選びにおいて防災意識はますます重要になっています。

その災害リスクを事前に把握するために活用したいのが「ハザードマップ」。この記事では、マンション購入時に確認すべきハザードマップの種類と、チェックする際の注意点をわかりやすく解説します。

ハザードマップとは?

ハザードマップとは、自然災害による被害の予測や避難場所・避難経路などを地図上に示したものです。国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」や、各自治体のホームページで誰でも無料で確認できます。

2020年8月以降、不動産取引においては水害ハザードマップの提示が義務化されており、重要事項説明の際に物件の災害リスクが説明されるようになりました。しかし、説明を受けるだけでなく、自分でも確認しておくことが大切です。

マンション購入時に確認すべきハザードマップの種類

① 水害ハザードマップ(洪水・内水・高潮)

河川の氾濫による洪水や、排水能力を超えた雨水による内水氾濫、台風による高潮などのリスクを示します。浸水深が色分けされており、濃い色ほど浸水の可能性が高くなります。

注意点:

浸水深が3m以上の場合、マンションの2階まで水が達する可能性あり

地下駐車場や電気設備が浸水すると、生活に支障が出る

河川や海に近い物件は特に注意

② 土砂災害ハザードマップ

土石流、地滑り、急傾斜地の崩壊などのリスクを示します。特別警戒区域(赤色)と警戒区域(黄土色)に分かれており、特別警戒区域では建築基準が厳しく設定されています。

注意点:

中古マンションは特別警戒区域内にある可能性も

通勤・通学時の通行ルートが崖地に面していないか確認

周辺施設(学校・病院など)が警戒区域に入っていないかもチェック

③ 地震ハザードマップ(ゆれやすさマップ)

地盤の特性や断層の位置から、地震時の揺れやすさを震度で示します。液状化の可能性や建物の倒壊リスクも参考になります。

注意点:

新耐震基準(1981年以降)で建てられたマンションは倒壊リスクが低い

地盤が軟弱な地域では揺れが大きくなる傾向あり

避難場所や火災時の逃げ道も確認しておく

④ 津波・高潮ハザードマップ

海沿いの地域では、津波や高潮による浸水リスクを確認する必要があります。津波の到達時間や水深、避難場所などが記載されています。

注意点:

高層階に避難できても、建物の損傷やライフラインの停止に備える必要あり

過去の津波履歴も参考にする

津波避難ビルや高台の位置を事前に把握しておく

ハザードマップ確認時の3つのポイント

① 物件所在地の災害リスク

まずは検討しているマンションの所在地が、どの災害リスクに該当するかを確認しましょう。複数のハザードマップを重ねて見ることで、総合的なリスクが把握できます。

② 避難経路と避難場所

災害時に安全に避難できるかどうかも重要です。避難場所までのルートに冠水や崖崩れの危険がないか、実際に歩いて確認しておくと安心です。

③ 周辺施設の安全性

学校、病院、スーパーなど日常的に利用する施設が災害リスク区域に入っていないかもチェックしましょう。生活の利便性だけでなく、災害時の安全性も考慮する必要があります。

ザードマップは「住まないため」ではなく「備えるため」に使う

ハザードマップでリスクがあるからといって、必ずしもその地域に住んではいけないというわけではありません。重要なのは、リスクを知ったうえで、どのように備えるかという視点です。

例えば:

浸水リスクがあるなら、上層階を選ぶ

土砂災害区域なら、建物の構造や避難ルートを確認する

津波リスクがあるなら、水災特約付きの火災保険に加入する

災害に強いマンションは、構造や設備に工夫が施されていることも多く、営業担当者に災害対策について詳しく聞いてみるのもおすすめです。

ハザードマップの確認方法

① ハザードマップポータルサイト(国土交通省)

日本全国の災害リスクを地図上で確認できる公式サイトです。

サイト名:ハザードマップポータルサイト

機能:洪水・土砂災害・津波・高潮などのリスクを地図に重ねて表示住所を入力してピンポイントで調べられる

「重ねるハザードマップ」と「わがまちハザードマップ」の2種類を提供

② 自治体のホームページ

各市区町村が独自に作成したハザードマップを公開しています。

方法:

自治体名+「ハザードマップ」で検索

PDF形式でダウンロードできる場合もあり

地域特有の災害(火山・ため池など)に対応した情報も掲載

③ 市役所・区役所などの窓口

紙のハザードマップを配布している自治体もあります。

特に高齢者向けやネット環境がない方に便利  防災課や地域振興課などで入手可能

まとめ

マンション購入は、長く住む場所を選ぶ大切な決断です。ハザードマップを活用することで、災害リスクを事前に把握し、安心して暮らせる住まいを選ぶことができます。

「知らなかった」では済まされない災害リスク。ハザードマップを味方につけて、後悔のないマンション選びをしましょう。