中古マンションを探しているとき、間取りや価格、築年数、駅からの距離などは細かくチェックしても、「売主が誰なのか」を意識することは意外と少ないのではないでしょうか。
実は中古マンションは、誰が売主なのかによって、購入後の保証や契約不適合責任、税金などに違いが生じる場合があります。
物件選びでは「どのマンションを買うか」だけでなく、「誰から買うのか」にも注目してみましょう。
中古マンションの売主は大きく3タイプ
中古マンションの売主は、大きく分けると次の3つがあります。
①個人が売主の中古マンション
現在の所有者が、自宅などとして住んでいたマンションを売却するケースです。中古マンションでは、もっとも一般的な売買形態といえるでしょう。
②不動産会社が売主の中古マンション
不動産会社が所有している物件を、そのまま販売するケースです。新築マンションだけでなく、中古マンションを仕入れて販売する不動産会社もあります。
③不動産会社が買い取ってリフォームした「買取再販」
不動産会社が中古マンションをいったん買い取り、リフォーム・リノベーションなどを行ったうえで販売するケースです。
見た目は「中古マンション」でも、売主が個人なのか、不動産会社なのかによって、確認しておきたいポイントが変わります。
一番大きな違いは「契約不適合責任」
購入後に、契約時には分からなかった不具合などが見つかった場合に関係するのが「契約不適合責任」です。
たとえば、契約で説明されていた内容と実際の建物の状態が異なっていた場合、一定の条件のもとで、修補や代金減額、損害賠償などを求められる可能性があります。
ここで重要なのが、売主が宅地建物取引業者なのかどうかです。
不動産会社が売主となる場合、宅地建物取引業法によって、買主に不利になる契約不適合責任の特約には一定の制限があります。一般の消費者が不動産会社から購入する場合、契約不適合責任を負う期間についても、少なくとも引渡しから2年間とする必要があります。
一方、個人が売主となる取引では、契約書で契約不適合責任の範囲や期間を定めることが一般的です。「契約不適合責任を負わない」とする特約が設定されるケースもあるため、契約前にその内容を確認することが重要です。
つまり、同じ「中古マンション」でも、売主が誰なのかによって、購入後のリスクや保証の考え方が変わるのです。
「買取再販」ならではのメリットも
近年増えているのが、不動産会社が中古マンションを買い取り、リフォームして販売する「買取再販」です。
キッチンや浴室などの水回りを交換したり、間取りを変更したり、内装を一新したりすることで、新築に近い感覚で中古マンションを購入できるのが魅力です。
また、一定の要件を満たす買取再販住宅については、住宅ローン減税や登録免許税などの税制上の特例が設けられています。
ただし、「不動産会社が売主なら、すべてのリノベーション物件が買取再販住宅として税制上の優遇を受けられる」というわけではありません。
たとえば住宅ローン減税における買取再販住宅には、宅地建物取引業者が取得してから一定期間内に販売することや、一定のリフォーム工事が行われていることなど、複数の要件があります。
「リノベーション済み」という広告だけで判断せず、税制上の適用要件を満たしているかを確認しましょう。
消費税にも違いがある?
売主が個人か不動産会社かによって、消費税の扱いにも違いがあります。
個人が自宅として使用していた中古マンションを売却する場合、建物部分について原則として消費税はかかりません。
一方、不動産会社などの事業者が販売する場合は、建物価格に消費税が含まれることがあります。土地には消費税がかからないため、売買価格の内訳などを確認しておくと安心です。
「同じ3,000万円の中古マンション」でも、売主によって価格の表示や消費税の扱いが異なる場合があるため、単純に販売価格だけを比較しないことが大切です。
購入前に確認しておきたい4つのポイント
中古マンションを検討するときは、物件そのものだけでなく、次の点も確認しておきましょう。
1.売主は個人か不動産会社か
まずは物件概要などで「売主」を確認しましょう。
2.契約不適合責任の範囲と期間
どのような不具合が対象になるのか、いつまで責任を負うのかを契約書などで確認します。
3.リフォーム・リノベーションの内容
買取再販の場合は、どこまで工事が行われているのか、設備の保証期間はどのくらいなのかを確認しましょう。
4.税制上の優遇が利用できるか
住宅ローン控除や登録免許税などについて、物件が要件を満たしているかを確認しておくと安心です。
「誰から買うか」も中古マンション選びの重要なポイント
中古マンション選びでは、価格や立地、間取りなどに目が向きがちです。
しかし、同じ「中古マンション」でも、個人から購入する場合と不動産会社から購入する場合では、契約条件や購入後の保証などに違いがあります。
特にリノベーション済みの物件が増えている現在は、「中古だから個人が売主」とは限りません。
物件情報を見たときには、ぜひ一度、「このマンション、誰が売主なんだろう?」と確認してみてください。
それだけでも、物件の見方が少し変わってくるはずです。


