同じ銀行では借り換えできない!返済を楽に出来る代替案はある?

不動産コラム

先日のマイナス金利解除のニュースを受けて、住宅ローンの金利動向が注目されています。現在住宅ローンを返済中の人は、さらにお得なローンを求めて「借り換え」を検討する人も多いでしょう。借り換えには回数制限はありませんし、金利が今よりも低くなっているのであればメリットはたくさんあります。しかし手続きが面倒、費用が掛かるから、といった理由で借り換えを躊躇している人が多いのも事実です。実際、同じ銀行の中での借り換えは出来ないことになっています。借り換えとは別の方法で、支払が有利になる方法はあるのでしょうか。

同じ銀行で住宅ローンは借り換えできない

前述のとおり、同じ銀行の中で住宅ローンの借り換えは出来ないことになっています。理由は簡単、金融機関に何ひとつメリットがないからです。借り入れしている側(顧客)の借り換え目的は「少しでも返済が楽になること」「総返済額が下がること」です。借り入れを繰り返せば、当初の予定よりもずいぶんお得に返済することが可能になります。一方の金融機関は新規の顧客が増えるわけでもなく、金利が下がった商品を提供してしまうと利益が減ってしまいます。金融機関にとってはデメリットしかないわけです。

このように同一銀行内での借り換えは不可能ですが、同じ住宅ローンのまま負担額を軽くすることは可能です。

「金利タイプの見直し」をする

住宅ローンの返済方法の一つに「金利タイプの選択」がありますが、いわゆる「固定金利」か「変動金利」を返済途中に見直すことは可能です。 金利タイプを変更できれば、現在の借入れのままで返済額を減らすことができるのです。 一般的に「変動金利から固定金利へ」の変更は、いつでも可能です。一方「固定金利から変動金利へ」の変更は、固定期間終了後のタイミングに限られます。現在契約中の規約を確認し、金利タイプ見直しが可能かどうかを見極めましょう。

金利タイプの変更には、手数料がかかるケースがほとんどです。金融機関によって差がありますが、数千円~数万円と考えておきましょう。借り換えをする場合と比較するとかなりお得になります。

繰り上げ返済を利用する

繰り上げ返済とは元金部分の前倒し返済をすることです。したがって、当初かかる予定だった利息を省略することができるので、結果的に総返済額を減らすことができます。繰り上げ返済の方法には「期間短縮型」完済時期を前倒しにするタイプと、「返済額減額型」期間はそのままで返済額を下げるタイプがあり、選択することが出来ます。(金融機関によるため要確認)総合的に比較すると、期間短縮型の方が、利息軽減メリットは大きくなります。

同じ銀行でも「フラット35からフラット35へ」借り換えは出来る

通常の住宅ローンは同一銀行での借り換えは出来ませんが、フラット35は例外です。これはフラット35が住宅金融支援機構の商品だからです。銀行は手続きの窓口になっているだけなので、借り換えで金利が下がったとしてもリスクがないのです。固定金利の安心感を保ちながら、少しでも低金利に借り換えできればメリットは大きいと言えます。さらに返済期間の残りが20年に近い場合、返済期間20年のフラット20に借り換えれば、さらに低い区分の金利が適用となります。

ただし、借り換えとなれば現在返済中のフラット35を全額返済し、新しくフラット35を借り入れすることになります。再度、所定の事務手数料や登記費用が必要となりますので、諸費用も含めて借り換えメリットがあるかをしっかりとシミュレーションする必要があります。

また、金融機関を変更してのフラット35からフラット35への借り換えももちろん可能です。この場合は、取り扱っている金融機関の付帯サービスを利用できるというメリットがります。

借り換えには再審査が必要

借り換えは、新たに住宅ローンの契約をし直すことに他なりません。したがって、一から住宅ローンの審査を受けることになります。一般的に、新規で借り入れした時よりも借り換え時の方が審査は厳しいと言われます。希望金額が満額承認とならないケースや、審査に落ちてしまう可能性があることは念頭に置いておきましょう。ポイントは2点あります。

  • 収入状況の変化

借り入れ当初から数年経過しているため、収入が変化していることがあります。転職して収入が下がってしまうケース、また年齢が上がったことで定年までの期間が短いなど、銀行が不安定と判断する材料がないかが重要です。

  • 健康状態の変化

新たに告知書を提出する必要があるため、団体信用生命保険に加入できなくなるケース。加齢に伴い健康状態が悪化したり、年齢制限によって「特約付き」(がん保障や3大疾病保障など)の保険に加入できなくなることがあります。こういったケースではあえて借り換えをせず、現状の保障を維持した方が良いこともあります。

残高1000万円以上・残存期間10年以上であれば、是非借り換えを考えるべきというのが一般論です。ただし、借り換えした方がお得か、借り換えせずに条件変更をした方がお得かは、個別に判断するべきです。

まずはシミュレーションと必要な手続きを確認して、ベストな選択をしてください。