親からの資金援助「借りる」時の注意点−贈与と見なされないためのポイント−

不動産コラム

久しぶりに里帰りで親御さんと会う機会の多い年末年始。「そろそろマイホームを・・・」という話題になった時に、もしも親御さんから「1000万円貸してあげるよ。」と資金援助の申し出があったら。自分たちだけの力では少し資金不足な場合には予算を伸ばすことが出来ますし、あるいは住宅ローンの借入を減らして返済を楽にすることも可能です。非常にありがたい話ですが、「お金があるときに返してくれたらいいから」の言葉通り、余裕があるときにだけ返済していると大変なことになります!

「親から借りる」のも立派な借金

もしも親御さんからの資金援助を貰うのではなく「借入れ」とした場合、親子という間柄から融通が効くのはとても助かります。しかしどうしても管理が甘くなってしまいがちで、最悪の場合には「贈与」と判断されてしまうことがあります。「贈与」と見なされると当然ながら多額の「贈与税」が降りかかってきます!

「贈与」と見なされやすいパターン

親御さんからの借入金が「贈与」だと見なされてしまうのは、それなりの理由(抜け)があるからです。

一つ目は「多額である」こと。借りた子供側の年収からするとあまりに大きな金額であると当然「贈与」と見なされます。銀行の住宅ローンの審査と同様、きちんと返済計画を立て、身の丈に合った金額である必要があります。

二つ目が「契約書がない」借入金です。口約束で借りたことにしていても、第三者からすれば贈与か借入かは分かりません。きちんと返済するかどうかも不明確なため、契約書がないことが贈与とされる一番の理由になっています。借入金額、返済期間、金利などをきちんと文書にすることが重要です。

三つ目は「無利子」の借入金です。親子なんだから「1000万円借りれば1000万円返せば済む」と考えがちですが、無利子だと本来金利として返すべき部分が贈与にあたってしまうのです。市場の住宅ローンの金利と同等である、もしくは少し低い優遇金利と同等としておくと問題ありません。

四つ目が「返済期限がない」借入金です。いつまでに返すのかが全く決められていない、お金がある時にだけ返す、全く返していない年がある、など通常では考えられない返済方法では到底借入金とは見なされません。

親御さんからの借入金の対策

1000万円を無事に借りて、毎月きちんと返済を続けていたとしても「贈与」と見なされては大失敗です。そうならないための対策ポイントは次の4つです。

①「契約書」を作成しよう

例え親子であっても借金は借金として、きちんと署名・捺印のある契約書を交わしましょう。銀行から住宅ローンを借入れする際には「金銭消費貸借契約書」を交わします。これと同じように貸主、借主双方が保管しておく書類を作成するのがベストです。

金銭消費貸借契約書には次の項目を明記しましょう。

 1:契約書の作成日付(◯年◯月◯日)
 2:借入金額
 3:お金を渡した日付
 4:返済方法、返済期日
 5:利息
 6:遅延損害金
 7:期限利益の喪失
 8:借主の住所・指名・押印
 9:貸主の住所・指名・押印

銀行の住宅ローンでは契約を交わした後にお金が実行されます。同様に契約書を作成してからお金を渡すか、契約日と同日が良いでしょう。さらに金額の欄は改ざんを防ぐために漢数字(壱、弐、参)を使用し、印鑑は実印を押印しましょう。

忘れがちなのが「収入印紙」です。1万円以上の貸付には、その金額に応じた印紙を貼り付け、割り印をしましょう。

②返済の証拠を残そう

契約書を交わしても、返済の実績がなければ丸々贈与となってしまいます。出来れば毎月口座振込みをし、通帳記帳した際に記録が残る方法で返済します。その際には、きちんと親御さんが管理している口座を使用しましょう。

③必ず金利を付けよう

先ほど説明したように、無利子では「贈与」となってしまいます。市場の金利を参考にして、必ず金利を上乗せして返済しましょう。親子間ですから相場よりも少し安く設定しても問題ありません。現在、住宅ローンでは変動金利で0.4%台~0.6%台の商品が多くあります。

④返せる金額を借りよう

たとえ親子でもきちんと返済し続けれらる金額だけを借りましょう。もしも、銀行の住宅ローンも併せて利用する場合には、2か所から借入れすることになります。住宅ローンの手続きの際には申込書に「親からの借入」も明記する必要があります。親子間での借入には抵当権までは付けませんが、返済金額が年収に対してオーバーしないか等の審査は受けなくてはなりません。

返さなくていいのなら贈与として確定申告を

借入ではなく貰ってしまうのであれば、いっそ「贈与」として確定申告する方法もあります。

通常の毎年110万円の基礎控除(非課税枠)を始め、住宅取得のための贈与であれば最大1000万円まで非課税とする特例が2年延長(2023年12月31日まで)となりました。

税制の特例を利用する場合には、贈る側、貰う側、対象となる住宅、贈与の日付、物件の契約日など要件を満たす必要があります。詳細は国税庁のHPを確認してください。

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4508.htm