金利上昇で中古マンションは買いにくくなる? 住宅ローンと物件価格への影響を解説

不動産コラム

「金利が上がった」というニュースを見て、住宅購入を検討している方の中には、「今はマンションを買わないほうがいいのでは?」と不安を感じている方もいるのではないでしょうか。

2026年9月18日、日本銀行は金融政策決定会合で政策金利を1.25%程度へ引き上げることを決定しました。日銀は今後についても、経済・物価・金融情勢を見ながら、政策金利を引き上げていく考えを示しています。

住宅ローンを利用して中古マンションを購入する人にとって、金利上昇は決して無関係ではありません。しかし、「金利が上がる=中古マンションは買わないほうがいい」と単純に考えるのも早計です。

今回は、金利上昇が住宅ローンや中古マンション価格にどのような影響を与えるのか、そしてこれから中古マンションを探す人が意識しておきたいポイントを整理します。

金利が上がると住宅ローンの負担はどう変わる?

住宅ローンを利用してマンションを購入する場合、金利は毎月の返済額や総返済額を左右する重要な要素です。

例えば、3,500万円を35年返済、元利均等返済で借り入れた場合、金利が0.5%なら毎月の返済額は約9万1,000円です。一方、金利が1.0%になると約9万9,000円となり、毎月約8,000円の差が生じます。

単純計算では、35年間の総返済額にも約334万円の差が出ます。

もちろん、実際の住宅ローンには金融機関ごとの金利や優遇幅、借入期間などさまざまな条件があるため、数字は一例にすぎません。

それでも、金利が変わることで、同じ金額を借りても返済負担が変わることは理解しておきたいポイントです。

金利上昇で「買える物件価格」も変わる

金利上昇の影響は、毎月の返済額だけではありません。

住宅購入では、「毎月いくらまでなら無理なく返済できるか」という視点から借入額を考えることが大切です。

例えば、毎月の住宅ローン返済額を10万円程度に抑えたいとします。

金利が低いときには、その返済額で比較的大きな金額を借りられていたとしても、金利が上昇すれば、同じ10万円でも借りられる金額は少なくなります。

つまり、金利が上がると、同じ収入・同じ返済予算でも「購入できる物件価格」が変わってくる可能性があるのです。

これから中古マンションを購入する方は、物件価格だけを見て予算を決めるのではなく、住宅ローンの金利まで含めて資金計画を立てる必要があります。

金利が上がると中古マンション価格は下がる?

ここで気になるのが、「金利が上がれば中古マンションの価格も下がるのでは?」という点です。

確かに、金利上昇によって住宅ローンの負担が大きくなれば、住宅購入を見送ったり、購入予算を引き下げたりする人が増える可能性があります。

購入者の予算が縮小すれば、不動産価格には下押し圧力がかかることも考えられます。

しかし、金利だけで中古マンションの価格が決まるわけではありません。

立地や築年数、駅からの距離、物件の希少性、住宅需要、建築費、人件費など、さまざまな要因が不動産価格に影響します。

そのため、「金利が上がったから中古マンション価格が必ず下がる」とは言えません。

同じ中古マンションでも、需要の高いエリアや利便性の高い物件と、そうでない物件では、金利上昇の影響の受け方が異なる可能性があります。

「金利が上がる前に急いで買う」必要はある?

金利上昇のニュースを見て、「さらに金利が上がる前に、急いで購入したほうがいい」と考える人もいるかもしれません。

しかし、住宅は購入後も長く住み続けるものです。金利だけを理由に焦って購入するのはおすすめできません。

一方で、だからといって「金利が落ち着くまで待とう」と購入を先送りすることにも、別の注意点があります。

中古マンションは「いつでも買える」とは限らない

中古マンションの大きな特徴の一つが、自分の希望に合う物件が、いつ市場に出てくるか分からないことです。

新築マンションであれば、販売計画に沿って一定期間募集されるケースが多くあります。

一方、中古マンションは売主が売却を決めたタイミングで市場に出てくるため、

「駅から徒歩○分以内」

「希望するエリア」

「○LDK」

「希望する広さ」

「予算内」

「日当たりや眺望が良い」

など、条件を絞って探していると、希望に合う物件がなかなか出てこないこともあります。

そして、条件の良い中古マンションが売りに出されたとしても、必ずしも長期間市場に残っているとは限りません。

そのため、すでに住宅購入を検討している方は、金利だけを見て購入時期を決めるのではなく、「自分が本当に欲しいと思える物件に出会ったとき、購入できる準備ができているか」も考えておくことが大切です。

大切なのは「買い急ぐ」ことではなく「買える準備」

金利上昇を理由に焦って購入する必要はありません。

しかし、希望に合う中古マンションが見つかったときに、「もう少し待ってから」と迷っているうちに売れてしまう可能性もあります。

そこで重要になるのが、あらかじめ自分の購入予算を把握しておくことです。

住宅ローンについても、

・毎月いくらなら無理なく返済できるか

・頭金はいくら用意できるか

・金利が変化した場合にも返済を続けられるか

・管理費や修繕積立金などを含めて負担できるか

といった点を事前に確認しておけば、希望に近い物件が見つかったときにも、落ち着いて判断しやすくなります。

金利だけでなく「物件との出会い」も大切に

金利上昇は、これから中古マンションを購入する人にとって重要な検討材料です。

ただし、住宅購入は金利だけで決めるものではありません。

「金利が上がったから買わない」

「金利が上がる前に急いで買う」

と二択で考えるのではなく、自分にとって無理のない予算を確認したうえで、希望条件に合う物件が見つかったときに判断できる状態をつくっておくことが大切です。

中古マンションは、一戸一戸に立地や間取り、眺望、日当たり、管理状態などの個性があります。

だからこそ、「次も同じような物件が出てくるだろう」とは限りません。

金利の動きをチェックしながら、物件情報も継続して確認する。

そして、「ここなら長く暮らしたい」と思える物件に出会ったときには、資金計画と照らし合わせて購入を検討する。

金利上昇局面だからこそ、「いつ買うか」だけでなく、「どんな物件なら買いたいのか」を明確にしておくことが、中古マンション選びでは重要になりそうです。