低金利時代は住宅ローンの「借り換え」で得しよう

不動産コラム

消費税増税がいよいよ目前に迫って来ました。すでに完成している物件や、9月末までに引き渡しを受けることのできる物件は、急いで契約すれば消費税8%の価格で売買契約を結ぶことも可能です。物件契約から住宅ローンの本申込み、承認まで2~3週間かかりますので、マイホーム探しをしている方はこの夏休みがラストチャンスです!

さて、住宅ローンの金利は相変わらず低水準をキープしています。

たとえ消費税が10%にアップした後でも、マイホームを購入する人にとっては決して悪い時期ではありません。

「もっと金利が下がるのでは?」と様子見の方もいるかもしれませんが、未来の金利の上下は簡単に予測出来るものではありません。住宅ローンも金融商品の一種なので、支払い終えてみなければ、損だったか得だったかは分からないのです。
それよりも、少しでも早く住宅ローンの支払いを始めた方が終わりも早いし、無駄な家賃を支払わなくて済みます。

それでも、将来金利がもっと下がる事態になったのなら・・・

その時は「住宅ローンの借り換え」をすれば良いのです!

住宅ローンは借り換え出来る

借り換えとは、文字通り「住宅ローンを途中で別のローンに乗り換える」方法です。

例えば全期間固定型のフラット35は、支払い途中で金利上昇のリスクがなく、安定・安心を好む人によく利用されます。

借入れした時点ではある程度低金利だと思っていても、何年か経過した時にもっと低い金利で貸し出されていたらなんだか損した気分になりますよね。

実は、フラット35は一番最初に借入れしてから1年(12回遅れることなく引落しが終了していること)支払いが終わった時点で、借り換えることが可能です。

フラット35の金利はマイナス金利の煽りをうけて2016年8月に最低を記録した後、若干戻りましたが1.1%台~1.2%台をウロウロしている状態です。

ですから、5~7年前にフラット35を借入れした人にとっては、最近の低金利で借り換えると非常にメリットがあります。

ちなみに、フラット35からもう一度フラット35に借り換えることも出来ます!

(同じ金融機関でもう一度借り換えるパターンと、A銀行からB銀行に変更して借り換えるパターン、銀行の住宅ローンからフラットへ借り換えるパターンがあります)

フラット35は各金融機関で手数料が異なるので、少しでも安い手数料の銀行を選べば諸費用を節約することが可能です。最近ではこの手数料や登記費用(これまでの抵当権を抹消登記し、新たな抵当権を設定する2つの登記が必要になります)も借入れ金額に上乗せすることが可能なので、手持ち金を用意しなくても借り換え出来ます。

借り換えシミュレーションで具体的なお得を算出しよう

フラット35のHPを見ると、借り換えシミュレーションのページがあり、簡単に借り換え後の支払額などを算出することができます。

借り換えを検討する場合は、まずこのシミュレーションをしてみることが第一歩となりますので労を惜しまずにトライしてみましょう。

例えば残りの住宅ローンの金額が3000万円、残りの返済期間が30年、当初の金利が2%だとします。現在の1.17%(2019年8月金利)で借り換えた場合

毎月の支払額は

110,885円 → 98,852円 (▲12,033円)

総支払額は

41,673,169円 → 35,801,643円 (▲5,871,526円)

となります。

600万円近い差が出るのなら、借り換えない手はないでしょう。

繰り上げ返済と同様、少しでも支払額を抑える方法として非常に有効です。

ただし、借り換えはあくまで「住宅ローンの組み直し」ですので、最初と同じような申込手続きが必要になります。

当然ながら審査を受けることになりますので、その時点で「ローン審査に落ちない状態」であることが求められます。

これも最初の借入れと同じで、必要な年収があること=返済負担率がオーバーしないこと、他に大きな借入れやローンを抱えていないことなどです。

同じ勤務先で継続して働いていると問題ありませんが、万が一転職していたとしてもフラット35では審査可能です。(その場合は出来れば3ヶ月以上給与実績があると審査に通りやすくなります)

ただし最初に借入れした時に、夫婦で収入合算して妻が連帯債務者となっていた場合は注意が必要です。

フラット35の借り換えでは原則、同じ借り入れ名義人で審査を受けなくてはいけません。ちょうど奥様が産育休中で収入がなかったり、退職していたりすると、夫一人の年収では返済負担率をオーバーしてしまうことがあります。さらに新たに車のローンなどが加わっていることも多く、それらを加えて返済負担率を計算するとやはりオーバーして借り換えの審査の土台に乗らない・・・という結果に。

年数が経過すると家族構成や状況が変化するのは当たり前のことですが、借り換えのタイミングを逃さないようにするには、やはり「ギリギリの借入れをせず、貯蓄も並行して出来る支払額を目指す」ことだと言えます。
住宅ローンを借入れた後も、是非金利情報をチェックしてみて下さい。