住み替えを成功させるコツとは-売るのが先か?買うのが先か?を見極めよう-

不動産コラム

マイホームの購入は人生で最大の買い物と言われます。それが人生で一度切りのひ人もいれば、2回3回と「住み替え」をしていく人もいます。「住み替え」とは、実家暮らしから、または賃貸住宅からマイホームを購入するのとは違います。

すでにマイホームを購入済みの人が、もう一度別のマイホームに買い替えることをいいます。住み替えでは、今住んでいるマイホームの売却が絡んできますので、流れをきちんと理解しておかなければ大変なことになってしまいます。今回は、住み替えを成功させるコツを解説します。

「売るのが先」か「買うのが先」か

買い替えを考える際、「マイホームの売却が先か、住み替え先の購入が先か」を皆さん悩むと思います。事実、この二つの作業の順番は非常に重要です。ここを間違えてしまうと、スムーズな買い替えが出来ません。

さて「売却が先か、購入が先か」という問題は、「次のマイホームを買うことができるか、今のマイホームを売らなければならないか」と言い換えることができます。そしてこの二つのアプローチどちらに進むかを左右するのが「査定」です。

まずは「査定」からスタート

「査定」とは、今の相場においてマイホームがいくらでも売れそうかを判断するものです。通常、査定は無料で行えます。インターネットなどで気軽に申込める「簡易査定」は、周辺の成約事例と市況から査定金額を算出します。更に「訪問査定」で詳しい調査を行うと、より現実的な金額が提示されます。

査定が終わって「大体、〇〇万円で売れそうだ」という金額が掴めたら、残っている住宅ローンの金額を確認します。住宅ローンがまだ残っている場合は、「売却したお金で完済できるか」がポイントとなります。完済できて、さらに次のマイホーム購入の資金に充てることができるかを確認します。

反対に残っている住宅ローンの方が大きく、売却資金だけでは不足してしまう場合には手持ち資金で補填する必要があります。

新しく住宅ローンを組む場合に、その不足分を上乗せして借入れができる「住み替えローン」を利用することもか可能です。ただし、銀行の審査はそれなりに厳しくなりますし、上乗せした分返済も多くなってしまいます。誰もが気軽に利用できませんので、慎重に進めましょう。

まずは、現在のマイホームの相場感を掴むことと住宅ローンの残債を確認することが、最初のステップとなります。

買い替え先の資金計画をどう組み立てるか

次のステップは、買い替え先のマイホームをどうやって購入するか。つまり、資金計画をどうするかです。

まず、買い替え先では「すべて現金」で購入する場合を考えます。

A:現金のマイホーム売却資金を買い替え資金に充当する場合は、「先行売却」(売却が先)となります。

B:売却資金をあてにせず購入できる場合には、売却は先でも後でも選ぶことができ自由度が大きくなります。

次に買い替え先でも住宅ローンを利用する場合。

まずは、既存の住宅ローンが残っている場合から考えてみましょう。買い替えを検討する多くの人が、既存の住宅ローンを返済中であると思います。その状態で銀行が新しく住宅ローンを貸し出ししてくれるかが、鍵となります。

C:既存住宅ローンが残っていても、新しい住宅ローンを借入れできるなら「先行購入」となります。

D:既存住宅ローンを完済しないと、新しい住宅ローンが借入れできないなら「先行売却」となります。

同様にすでに既存住宅ローンを完済しているケースで、銀行が新たに住宅ローンを貸してくれる場合には

E:先行購入ができますし、先行売却しても構いません。

逆に既存住宅ローンは完済できているのに、新たに住宅ローンの借入れができない場合には

F:先行売却で、購入資金に充てる必要があります。

このように、A~Fどの状況に当てはまるのかを確認してみましょう。

買い替え時の資金繰りが大きなポイント

このように、住み替えがスムーズにできるかどうかは「買い替え時の資金繰り」にあります。2件目のマイホーム購入時に充分な現金があれば別ですが、多くの場合また住宅ローンを組んで、という資金計画になると思います。つまり、遡って最初のマイホーム購入時の資金計画が非常に大事になることがわかります。

購入当初は長い期間住むつもりだったとしても、転勤などで住めなくなることも。家族の状況が変化して、住宅が手狭になったり逆に広過ぎたりする事もあります。長い人生の中では、ライフプランは多様に変化するものです。

これからマイホームを購入する人は「果たしてこの家に何年住むだろうか」ということを、もう少し深く考えてみましょう。現在の年収をベースに目一杯住宅ローンを組んでしまうと、いざ買い替えとなった時に大きな足かせとなってしまいます。

マイホームを選ぶ時には、「リセールバリュー」と「余裕のある資金計画」を意識することが重要です。