「安い」だけで選ぶと危険!変動金利のリスクを知っておこう①

不動産コラム

金利をどのタイプにするか?という問題は、住宅ローンを借りる人にとっては永遠のテーマとも言えます。

お客様からは常に「どの金利タイプがお得か?」という質問をいただきます。
何千万円という借入れをするのだから少しでも無駄な金利は払いたくないし、少しでも安くあげたいという思いは誰もが一緒です。

ただ、「損か?得か?」という視点で住宅ローンの金利タイプを選ぼうをすると、答えが出ないというのが本当のところなのです!さんざん、このテーマについてはネットにも記事が上がっていますし、住宅の営業マンともお話されてきたと思います。
「どっちがお得ですか?」と聞くと、支払い金額だけを見て「変動金利です」という答えが返ってくる場面が多いのですが、実はちょっとこれは危険なのです。

ここで、「変動金利の特徴」についてもう一度おさらいしておきましょう。

返済額が変わらない、いわゆる「5年縛り」は本当に有難いのか?

変動金利は文字通り金利が変わるタイプです。その時の金融情勢に影響を受け、上がったり下がったりします。景気が良ければ上がる、景気が悪ければ下がるといったザックリとした見方もあります。ここ数年は低いままで上がっていないし、当面は安心と感じる方も多いでしょう。

しかし厳密には「1年に2回見直し」が入っています!

見直した結果、最近は大きく動いていないだけです。いわゆるバブル景気だった平成2年ごろ、変動金利は「8%台」まで上昇した過去がある事をご存知ですか?今では考えられない数字ですが、金利はそこまで上がることもあるのです。

低金利時代で、変動タイプも低水準で推移している期間が続いています。今後はこれ以上に下がることは考えにくいため、近い将来上昇する可能性は多いにあります。

そこで、今回は「金利が上がったらどうなるのか?」に焦点を当てて話を進めたいと思います。

例えば、あなたは変動金利で毎月10万円の支払いをしています。

仮に右肩上がりに金利が上昇する局面に入ったとしましょう。

住宅ローンの支払いがスタートした時よりも、年に2回の見直しの度に金利が上昇したとしたら・・・

実はすぐに慌てなくて大丈夫なんです。

変動金利の場合、大原則として5年間返済額は変わらないのです。5年間は、あなたの支払いは10万のままなのです。

でも金利が上昇したのに、返済額が変わらないってどういうことなのでしょうか?

これは、支払い額の内訳に秘密があります。
あなたが毎月返済しているのは「元金+金利」の合計額です。

スタート時に10万円の内訳が「8万円(元金)+2万円(金利)」だったとしましょう。
これが、年2回の見直しの度に金利が上がると

「7万円(元金)+3万円(金利)」→「6万円(元金)+4万円(金利)」

というように、10万円は変わらないままで金利の占める割合が大きくなって行きます。

この状態が続くと、支払った回数の割に元金が減っていないという現象が起きます。
(逆に金利が下がれば元金の内訳が大きくなって行きます。予定より早く元金が減っていきます。)

5年間が終わるまでは引き続き10万円のままなので、「支払い額」だけを見れば金利上昇の影響を受けていないように見えます。

ところが、最悪な事態として考えられる事がまだあるのです。

あまりにも金利が上昇しすぎて、利息部分だけで毎月の返済額を上回ってしまう場合です。
毎月予定されている利息にも満たない、いわゆる「未払い利息」が発生するのです。
こうなると、何回払っても元金1円もが減らないという本末転倒な事態となってしまいます。

5年後にブレーキがかかる?「1.25倍」の壁

そして最初の5年間が終了すると、ここで初めて返済額の見直しが入ります。
1年に2回見直しされた金利と違い、返済額は6年目に変更されます。これまでの5年間で金利が上昇していれば、当然返済額も上昇します。

では10万円だった支払い額が、20万円や30万円に跳ね上がることはあるでしょうか?

答えは「NO」です。

6年目の支払いは前の5年間の支払い額の1.25倍まで(125%まで)というルールが、ブレーキをかけるのです。

つまり上がったとしても10万円の1.25倍、12.5万円が限度ということになります。
支払いが一気に2倍や3倍にもなれば、ローン破綻する人が増えてとんでもない事になってしまうからです。

「急激には上がらないから大丈夫です。上がっても2万5千円です。」

こう言われたら、あなたはどう思いますか?

「2万5千円しか上がらない」という金額の面だけに安心していると、実は大きな落とし穴があるのです!

ー次回②へ続くー