住宅ローン控除は2025年がリミット?お得に利用したいなら急いで!

不動産コラム

マイホームを購入する人の多くが利用している「住宅ローン控除」。住宅ローンを借り入れしている人だけが利用できる控除の目
玉政策ですが、近年縮小化と省エネ住宅を優遇する動きが強まっています。特に新築住宅は来年2024年(令和6年)以降入居の場
合は注意が必要です。10年間で数百万円の減税効果がある住宅ローン控除、「こんなはずではなかった!」と後悔しないよう、も
う一度きちんと理解しておきましょう。

住宅ローン減税による省エネ性能の高い住宅への誘導

住宅ローン控除は時代の流れに沿って様々な改正を加えながら、長い間国民の住宅取得を後押しする税制優遇として重宝されてき
ました。ただし元々「時限立法」といわれる政策なので、いつまでも続く減税制度ではありません。いつ終わりがきても仕方がな
い制度であることは認識しておきましょう。
そんな中、2021年4月(令和4年度)の税制改正で2022年以降の住宅ローンの方向性が大きく変わることになりました。
この時の改正の大きなポイントは2点。
まず2022年から省エネ性能等に応じた借入限度額の上乗せ措置を導入したこと。
そして二つ目が2024年から新築の「その他の住宅」(省エネ基準非適合)は原則適用対象外としたこと、です。
カーボンニュートラル実現を打ち出している、政府の取り組みの一環となっていることがよく分かります。
控除率が1.0%から0.7%に縮小されたことにばかり目が行きがちですが、住宅そのものの性能によってあからさまに優遇に差をつ
ける内容になっているので要注意です。

新築住宅の適用条件

新築住宅を購入した場合の適用条件を再確認しておきましょう。
まず、2024年1月以降に建築確認を受ける新築住宅は、「省エネ基準」に適合していなければ住宅ローン控除を受けることが出来
なくなります。控除率は0.7%ですが、13年間控除を受けることが出来ます。
省エネ基準は3つに分類され、一番条件が厳しいのが「認定長期優良住宅・認定低炭素住宅」、次に「ZEH水準省エネ住宅」、そ
して「省エネ基準適合住宅」となります。
つまり最低限「省エネ基準適合住宅」の基準を満たしていることが条件となるため、それを証明する書類が必要となります。

「省エネ基準適合住宅」の証明書とは

「省エネ基準適合住宅」であることの証明書として、以下のいずれかを提出します。

1 建設住宅性能評価書の写し
住宅性能評価書は、登録された登録住宅性能評価機関が発行する住宅性能表示制度上の証明書です。記載事項の中にある5-1「断
熱等性能等級」が4以上、かつ、5-2「一次エネルギー消費量等級」が4以上であることが証明されていると有効となります。ポ
イントは2つの項目両方が4以上であることで、一方のみが4以上では無効となります。
また、住宅性能評価書には「設計」と「建設」の2種類があります。「設計」は文字通り設計段階での評価書で、「建設」は建物
が竣工したあとの評価書です。施工途中で変更が加わることがあるため、「建設」の評価書で判断します。


2 住宅省エネルギー性能証明書
住宅の省エネ性能に特化して証明する住宅ローン減税用の証明書で、令和4年度税制改正の住宅ローン減税延⾧時に創設されまし
た。発行できるのは登録住宅性能評価機関のほか、建築士でも可能です。対象住宅の設計・工事監理等を実施した建築士が発行で
きるので、第三者の建築士を探す必要はありません。
どちらも住宅を購入する消費者が単独で入手できる書類ではないため、設計者や施工者、売主などの協力が不可欠となります。あ
らかじめ書類が発行できる住宅かどうかを確認しましょう。

2024年以降入居の新築住宅の例外

上記の証明書が入手できない新築住宅でも、住宅ローン控除を受けられる例外があります。
一つ目は2023年12月31日までに建築確認を受けた住宅であること。確認済証もしくは検査済証で日付を証明します。
二つ目は2024年6月30日までに竣工済みである住宅。登記事項証明書で新築年月日を確認します。
ただしこの例外で適用を受ける場合には、借入限度額が2,000万円で控除期間は10年となりますので注意しましょう。

中古住宅が狙い目?

今後の新築住宅は省エネ基準適合が必須となりますが、既存住宅=中古住宅は2025年入居まで適用条件が変わりません!
中古の長期優良住宅・低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅は限度額が3,000万円、その他の住宅は限度額が
2,000万円、いずれも適用期間は10年です。
新築で例外の要件も満たすことが出来ない場合は、中古住宅を選択肢に入れてみるのもおすすめです。

お得に住宅ローン減税の恩恵を受けられるのは期限があります!マイホーム購入を考えている人は急ぎましょう。