2024年に日本銀行がマイナス金利政策を終了して以降、「住宅ローン金利のある時代」が本格的に到来しました。変動金利が長らく低水準で推移してきた日本ですが、近年は金融機関が相次いで変動金利を引き上げる動きを見せています。その影響もあり、街中やインターネット広告で「フラット35」を目にする機会が増えたと感じる方も多いのではないでしょうか。
実際、住宅金融支援機構でも「金利のある世界」をテーマに全期間固定金利のメリットを積極的に発信しています。全期間固定金利という安心感が、改めて注目されているのです。
なぜ今、フラット35が見直されているのか
フラット35最大の特徴は、借入時の金利が完済まで変わらない「全期間固定金利」であることです。
変動金利は当初の金利が低い一方、市場金利の上昇によって将来の返済額が増える可能性があります。これまで超低金利が続いていたため変動金利が人気でしたが、今後も金利上昇が続けば、家計への影響は決して小さくありません。
その点、フラット35は毎月の返済額が借入時点で確定するため、教育費や老後資金など長期的なライフプランを立てやすいというメリットがあります。
また、フラット35は住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する住宅ローンであり、金融機関によって事務手数料や金利に違いはあるものの、商品の基本的な仕組みは共通です。
「フラット20」という選択肢も
フラット35ほど知名度は高くありませんが、「フラット20」という商品もあります。
これは返済期間を20年以下に設定することで、フラット35より低い金利が適用される制度です。
例えば、
まとまった自己資金がある
定年前に完済したい
総支払利息をできるだけ抑えたい
このような方には非常に魅力的な選択肢となります。
返済期間が短くなるため毎月の返済額は増えますが、その分支払利息を大きく減らせるケースも少なくありません。
「借りられる金額」だけでなく、「いつまでに返済を終えたいか」という視点で考えることも重要です。
若い世代なら「フラット50」も検討価値あり
一方で近年利用が増えているのが「フラット50」です。
長期優良住宅や一定の認定マンションなど、一定の住宅性能を満たした住宅を対象に、最長50年間借りられる全期間固定ローンです。
返済期間を長く設定できるため、
子育て世帯
若年層の一次取得者
月々の返済負担を抑えたい方
には大きなメリットがあります。
住宅価格が上昇している現在、「希望する住まいは購入したいが毎月の返済額は抑えたい」というニーズにも応えやすい商品です。
ただし、返済期間が長くなるほど総支払利息は増える傾向があります。
毎月の返済額だけを見るのではなく、「生涯でいくら返済するか」という視点も忘れてはいけません。
金利引下げ制度も活用したい
フラット35には、住宅性能や家族構成などに応じて金利が引き下げられる制度があります。
例えば、
子育て世帯
若者夫婦世帯
ZEH住宅
長期優良住宅
省エネ性能の高い住宅
などは一定期間、金利優遇を受けられる場合があります。
最近では子育て支援策の拡充もあり、これらの制度を組み合わせることで、当初数年間の返済負担を軽減できるケースも増えています。制度内容は毎年度見直されるため、購入時点の最新情報を確認することが大切です。
固定金利にも注意点はある
もちろん、フラット35にもデメリットがあります。
一般的には変動金利より当初金利が高く設定されるため、金利が大きく上昇しなかった場合には、結果として変動金利の方が支払総額を抑えられる可能性もあります。
また、フラット35の金利は申込時ではなく「融資実行時」の金利が適用されます。
住宅の完成まで期間が空く新築マンションでは、契約時より金利が上昇している可能性もあるため、この点は事前に理解しておきたいポイントです。
大切なのは「安心」にいくら価値を感じるか
住宅ローン選びには正解がありません。
「少しでも低い金利で借りたい」という考え方もあれば、「将来の返済額が変わらない安心を優先したい」という考え方もあります。
金利上昇局面では、変動金利だけでなく固定金利も比較対象として検討することが、これまで以上に重要になっています。
フラット35、フラット20、フラット50は、それぞれ特徴が異なる商品です。
ご自身の年齢や家計、ライフプラン、住宅の性能などを総合的に考えながら、自分に合った住宅ローンを選ぶことが、将来にわたって安心できる住まいづくりにつながるでしょう。

