住宅ローン審査に影響!「運転免許証」の最後の数字はあの回数

不動産コラム

住宅ローン審査を受ける際には、たくさんの資料の提出を求められます。まずは本人確認資料として必須なのが「運転免許証」。本人の氏名・生年月日・住所はもちろん、なりすまし防止のために顔を確認することが出来る書類です。普段車の運転をしなくても、「身分証明書」として使うために更新している人も多いのではないでしょうか。

住宅ローンを借り入れしたい人は事前審査の段階で提出するのですが、実は銀行の担当者は運転免許証のある部分にも注目していることをご存知でしょうか?

免許番号には意味がある

免許証にはあなたの氏名、住所、生年月日の他に、個人を特定するものとして「免許証番号」があります。何か本人確認が必要となった際には「番号を控えさせていただきます。」と言われて、番号を記録された経験が一度はあるのではないでしょうか。免許証番号はただの12桁の数字の羅列ではなく、いろんな意味を持っているのです。

左から頭の2桁は最初に交付を受けた都道府県を示すもの、次の3・4番目の数字は免許証を最初に取得した西暦です。5番目以降の6桁の数字は、都道府県の公安委員会が交付・管理するためのものとなっています。

左から11桁までは変わることがない数字ですが、最後の12桁目、一番右の数字だけは唯一変わることがあります。

免許証番号の最後の数字が表すものとは

唯一変化する可能性がある免許証番号の12桁目は、実は「免許証の再交付の回数」なのです!紛失による再発行を行うたびに、最後の数字が増えていきます。

免許証を取得してから紛失した経験がない人は「0」、一度再発行を受けたことがある人の最後の数字は「1」となっています。「2」「3」と増えていけば、それだけ紛失を繰り返したことを意味します。ちなみに10回紛失してしまった場合には「0」には戻らず「1」と表示されるようです。

そして住宅ローン審査においては、あまり知られていませんがこの番号がチェックされているというのです・・・

銀行が懸念する人物像

誰でもうっかり落とし物をしてしまうことや、盗難被害にあって貴重品を紛失してしまうことはあります。ですから1桁目が「1」であっても心配することはありませんが、数字が大きくなると高確率で「紛失した理由」をたずねられます。

例えば、「お酒を飲むとしょっちゅう財布を失くしてしまう」「記憶がなくなるまで飲酒する」といった癖がある人は、「自己管理が弱い」という印象を与えてしまいます。運転免許証は公的なライセンスでもありますので、それを失くすことは管理能力が劣っていることを証明してしまうのです。

銀行はこうした人物を「自己管理が弱い人=住宅ローンを延滞する可能性が高い人」と判断してしまうのです。

それだけでなく、運転免許証は偽造して犯罪に利用される可能性が高い書類のひとつです。マネーロンダリング(資金洗浄)防止のために、金融機関では本人確認の基準を厳しくしています。あまりに再交付の回数が多い場合には、実際に何か犯罪に加担していなくとも「リスク大の人物」と判断されてしまいます。

そのため末尾番号が「1・2」の場合あまり問題はありませんが、「3以上」となると住宅ローンが否決される可能性がぐっと高くなります。

身分証明書の取り扱いは慎重に

どれだけ勤続年数や年収がしっかりあっても、免許証の最後の番号が5や6では住宅ローン審査に落ちてしまいます。審査において「クレジット払いの延滞をしない」ことなどは認知されていますが、こうした身分証明書の普段の取り扱いも実は見られていることを知っておきましょう。

また引越しなどで住所が変わった際には、遅滞なく運転免許証の住所変更手続きを済ませましょう。住宅ローン審査では、身分証明書の住所と申請した住所が同一である必要があります。銀行は個人信用情報を取得する際に、住所・氏名・生年月日などで個人を特定します。住所変更した裏書がある場合には、裏面の写しも忘れずに提出しましょう。もし住所変更がされていない免許証の場合は、「住民票」や「公共料金の領収証」などの補完書類で本当の住所を証明します。

さらに、免許証の更新前に結婚などで氏名が変更となった場合には、表が旧姓のままで裏書に新しい氏名が記載されるケースがあります。

最近の住宅ローン審査では、旧姓時代の個人信用情報も念入りに調べています。結婚前のクレジットの延滞、個人再生や自己破産など金融事故が記録されていた場合には、所定の期間を経過しないと情報は抹消されません。氏名が変わっていたとしても運転免許証番号によって情報が紐づけられているため、同一人物として照合されます。もし心配な場合には、事前に自身で情報開示して内容を確認しておきましょう。

「運転免許証」は、これまで以上に大切にしてください。